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入社や転勤に伴う支度金を支給した場合の課税関係について
2024年12月04日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は入社や転勤に伴う支度金を支給した場合の課税関係についてご紹介いたします。
入社に際して支給される支度金や引っ越し費用の課税関係は、支給の目的や内容によって異なります。
以下、具体的なケースごとに説明します。
1. 入社支度金が一律に支給される場合
求職者の応募促進や内定辞退の防止等を目的として、一律に支給される入社支度金は、
「労務の対価」としての性質を持ちます。そのため、支給時期によって以下のように課税されます。
○入社前に支給される場合
雇用契約を前提とした契約金とみなされ、「雑所得」として扱われます。この場合、支給額のうち
100万円以下の部分には10.21%、100万円を超える部分には20.42%の源泉徴収が必要になります。
○入社後に支給される場合
既に労務の提供が行われているため、「給与所得」として扱われ、賞与などと同様の課税が
行われることになります。
2. 入社や転勤に伴い業務上必要な転居が発生する場合
業務上やむを得ず転居が必要となり、その費用として支給される金銭については、
以下の条件を満たす場合、所得税は非課税となります。
1)転居費用として通常必要と認められる金額であること
業務上の転勤や入社に伴うやむを得ない転居に際し、通常必要とされる経費であり、引っ越し費用や
転居・入社に伴う旅費などの経費が該当します。
2)他の支度金と明確に区分して支給されていること
転居費用が他の支度金と混同されず、明確に区別されている必要があります。
上記の条件を満たす場合、支給された転居費用は非課税となり、所得税の源泉徴収は不要となります。
ただし、通常必要と認められる範囲を超える金額が支給された場合、その超過分は課税対象となる
可能性があります。
また、明確な区別がない場合も、転居費用含め、全て給与所得として扱われてしまう可能性があります
3. 消費税の取扱い
転居費用として支給される金銭が実費相当額であり、実際に支払った経費の金額を超えない額で
精算を行う精算実費弁済の性質を持つ場合、消費税の課税仕入れとして扱われます。
一方、一律に支給される入社支度金など、実費弁済の性質を持たないものは、課税仕入れとしては
扱われません。
いかがでしたでしょうか。
入社支度金や引っ越し費用の課税関係は、支給の目的や内容、支給時期によって異なります。
特に、転居費用が非課税となるためには、通常必要と認められる金額であり、他の支度金と
明確に区分されていることが重要です。
適切な税務処理を行うためにも、事前に社内規定を整備し、支給内容を明確にしておくことを
おすすめします。
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