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居住用賃貸建物に該当するかの判定について
2023年11月29日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は居住用賃貸建物の判定基準についてご紹介したいと思います。
【居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の制限】
令和2年度の税制改正により、令和2年10月1日以後に行う居住用賃貸建物の
課税仕入れ等については、仕入税額控除が制限されています。
(当時掲載したブログも併せてご参照下さい。https://www.kubotax.com/blog/2020/09/post-832.html)
居住用賃貸建物は非課税売上に対応するケースが多いことから、課税仕入れ等を行った時点では
仕入税額控除を制限することが改正の趣旨であり、もしその建物を第3年度の課税期間の
末日までに課税賃貸用に供したり、譲渡した場合には、別途仕入税額の調整を行うことが
認められています。
なお、居住用賃貸建物とは、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって、
高額特定資産(※1)等に該当するものをいいます。
※1 「高額特定資産」・・・課税仕入等に係る支払対価の額(税抜)が1,000万円以上の棚卸資産
又は調整対象固定資産(※2)
※2 「調整対象固定資産」 ・・・棚卸資産以外の資産で、建物その他の資産で、一の取引単位の価額(税抜)が
100万円以上のもの
この制度改正が行われてから3年が経ちました。
複雑な内容であり、税額への影響も大きいため非常に神経を使う規定ですが、
実務において最も判断に迷うのは"住宅の貸付の用に供しないことが明らかな建物"に
該当するかどうかではないでしょうか。
【住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物】
居住用賃貸建物の定義からは"住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物"が除かれているため、
これに該当すれば課税仕入れ等のタイミングで仕入税額控除が可能です。
しかし、法令上はこの"住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物"の基準が曖昧な表記に
留められているため、実務ではしばしばその判断に迷うことになります。
基本通達によれば、"建物の構造及び設備の状況その他の状況により住宅の貸付けの用に
供しないことが客観的に明らかであるか"により判断するとされており、
具体例として店舗用施設、旅館、ホテルなどが挙げられています。
つまり、通達レベルでは構造・設備が重要な判断材料であり、使用用途などは
あまり関係ないと言えそうです。
そう考えると、例えば事務所として使用する目的でマンションの一室を購入した場合などは、
構造・設備からは"住宅の貸付の用に供しないことが明らか"とは言えず、
仕入税額控除の制限を受けることになるのではないかと考えられます。
【最後に】
建物は取得価額が非常に高額であるため、仕入税額控除の判断を誤ると税額へも
大きな影響が生じてしまいます。
今回ブログでご紹介させていただいた内容が、皆様の正しいご申告の一助となれば幸いです。
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