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インフルエンサーに支払う報酬に対する源泉について

2023年07月12日

経営財務部

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。

今回はインフルエンサーに支払う報酬に対する源泉についてご紹介いたします。



企業が自社商品のPRを目的に、

いわゆる"インフルエンサーマーケティング"を活用することがあります。

インフルエンサーとは経済・流行・価値観などに関して、

多くのひとびとに強い影響を持つ人物のことで、

特に、インターネットなどのメディアを通して購買活動に大きな影響を与える人のことであり、

SNSのフォロワーが多いなど一定の影響力をもつ個人である

インフルエンサーに対して、企業が自社商品を無料提供等し、

使用した感想等を"SNS投稿"で発信してもらう対価として報酬を支払うことが多いようです。



居住者に支払う一定の報酬等が、所得税法上、源泉徴収の対象となるか否かは、

実態に基づき判断することになるところ、

企業が選定したインフルエンサーに支払うSNS投稿の対価としての報酬は、

源泉徴収の対象として列挙されている「報酬・料金等」のいずれにも該当しないといいます。



●SNSに投稿する文章等を作成することから、「原稿料」に該当?

源泉徴収の対象となる「原稿料」とは、

通常、執筆者から出版社等に寄稿された原稿への対価として支払われるものとされています。

一方、インフルエンサーへの報酬は、「SNSに投稿すること」への対価であり、

企業への文章等を提出するものではなく、

報酬の支払者が文章等を受領したという事実に基づかないため

源泉徴収の対象となる「原稿料」には該当しないようです。



●インフルエンサーの容姿を写した写真と共に投稿してもらうこともあるため

「モデルに対する報酬」に該当?

源泉徴収の対象となる「モデルに対する報酬」とは、

雑誌、広告その他の印刷物にその容姿を掲載させて受け取る報酬のこととされています。

印刷物に容姿が掲載されるケースのみが源泉徴収の対象になることから、

インフルエンサーがSNSに投稿した自身の容姿の写真を使用して、

企業が「チラシ広告等として印刷」しない限りは、インフルエンサーへの報酬は、

源泉徴収の対象となる「モデルに対する報酬」に該当しないとのことです。



●依頼内容によっては源泉の対象になるものも

例えば、インフルエンサーに自社商品のPRとして新商品の「デザイン」を依頼し、

その対価として報酬を支払った場合は、

源泉徴収の対象となる「デザインに対する報酬」に該当するため、

源泉徴収を行う必要が生じることになります。

また、インフルエンサーから提供された写真が雑誌その他紙媒体にも

掲載されることになっていれば「モデルなどに支払う報酬」に該当する可能性があるため、

源泉徴収を行う必要が生じるかもしれません。



いかがでしたでしょうか。


いずれの場合にせよ報酬等を支払う側は、源泉徴収義務を負うため、

源泉所得税の徴収が漏れていたり、徴収した所得税を期限までに完納しなかったりした場合、

延滞税などのペナルティが報酬等を支払う側に課されることがあるため

慎重な判断が必要になります。




税理士法人 久保田会計事務所では、法人税や所得税等の税務申告だけでなく

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