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退職金の支給方法による課税関係の違い
2023年05月03日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は退職金の支給方法が異なることによる、所得税の課税関係の違いについてご紹介致します。
【支給方法と課税関係】
退職金の基本的な支給方法は、退職一時金方式と退職年金方式の2通りです。
それぞれの支給方法の違いと、税法上の取扱いは次の通りとなります。
まず、退職一時金方式は退職の際に一時金として支給する方法を指し、
この場合、所得税の計算上は退職所得として取り扱われます。
よって退職一時金の額から退職所得控除の額を控除した
残額の1/2相当額(一定の場合を除く)に対して所得税が課されることになります。
これに対して退職年金方式は退職金を退職後一定期間に分割して支給する方法を指し、
この場合には雑所得として各年の所得税を計算することになります。
一時金方式と年金方式を併用するケースもあります。
例えば、退職金の1/2を一時金として退職時に支給し、
残り1/2を年金として分割支給するという方法です。
このような場合においても課税関係は上記と同様で、
一時金として支給した部分は退職所得、年金として支給する部分は雑所得として課税されます。
【2回に分けて一時金として支給する場合】
次に少し応用的なケースについてご紹介します。
退職の際、退職金の一部を一時金として支給し、残りは年金として分割支給することとしました。
しかし、その後受給者に急な出費を要する事情が生じるなどして、
年金として支給予定であった分を一時金として支給することになりました。
この場合、その2回目の一時金の課税関係はどうなるでしょうか。
年金として支給予定であった部分なので雑所得として取り扱われ、
多額の所得税が課税されてしまうのでしょうか?
過去の判例などを見る限り、2回目の一時金も退職所得として取り扱われると考えられます。
ただし、初回の一時金の上積み支給とされるため、
退職所得控除は初回の一時金と合算して計算することになります。
実務的には2回目の一時金を支給する際に、
受給者が「退職所得の受給に関する申告書」に初回の一時金について記載することで、
初回と2回目の一時金を合算して退職所得が再計算され、
源泉徴収によって課税関係が完結することが多いと考えられます。
【最後に】
退職金は勤続年数や支給方法、他の退職金との関係により、
課税関係が非常に複雑になるケースがございます。
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