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免税事業者のためのインボイス制度
2023年02月15日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
2023年10月1日から「インボイス制度」が始まりますが、ご準備はお済みでしょうか。
弊所ブログで「インボイス制度」について何度もご紹介させていただいておりますが、
今回は「免税事業者のためのインボイス制度」についてご紹介させていただきます。
インボイスとは、「適格請求書」のことを指し、
インボイス制度とは正式には「適格請求書等保存方式」といいます。
「適格請求書(インボイス)」とは、
売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるために、
所定の記載要件を満たした請求のことをいいます。
インボイス制度が始まる2023年10月1日以降、買手が仕入税額控除の適用を受けるためには、
原則として、売手から交付を受けた適格請求書の保存等が必要となります。
この「適格請求書(インボイス)」上の取引でないと、
買手は仕入税額控除をを受けることができません。(*経過措置あり)
*特例として、令和5年10月~令和8年9月は80%、
令和8年10月~令和11年9月は50%の控除可とされています。
では、「消費税の仕入税額控除」とはどのような仕組みなのでしょうか。
売上等に係る受け取った消費税から、仕入・経費・資産購入等に係る
支払った消費税を差し引くことを「仕入税額控除」と言います。
例えば、100万円の商品を売り上げた際、10万円の消費税を受け取ります。
30万円の商品を仕入れた際、3万円の消費税を支払います。
取引が上記2つしかなかった場合、
この受け取った消費税10万円から支払った消費税3万円を
差し引いた7万円が消費税の納付額となります。
インボイス制度の導入にあたり、新しく請求書等に登録番号を記載することとなります。
しかし、この登録番号は免税事業者には発行できないことになっています。
つまり、免税事業者からの仕入税額控除は不可となります。
30万円の商品を仕入れた先が免税事業者であれば、支払った3万円の消費税を差し引くこ
とができず、10万円の納付額となります。
上記のように、仕入税額控除は消費税の納税額に大きな影響をもたらします。
買手からすると、「適格請求書」を発行できない事業者と取引をすると
消費税の納税額が膨らんでしまいます。
2021年10月より、この「適格請求書」を発行するための
登録申請(適格請求書発行事業者の登録申請書)の受付が開始されています。
適格請求書発行事業者となるには、
税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し登録を受ける必要があります。
免税事業者の方は登録を受けるかどうか検討する必要がございます。
まず、得意先から「適格請求書」の交付を求められるか、確認してみましょう。
・課税事業者である得意先は、仕入税額控除のため、
こちらから交付する「適格請求書」が必要です。
・課税事業者であっても簡易課税制度を選択している得意先は、インボイス不要です。
・消費者、免税事業者である得意先は、インボイス不要です。
登録を受けた場合と受けなかった場合について考えてみましょう。
・登録を受けた場合は、「適格請求書」が交付でき、
課税事業者として消費税の申告と納税が必要です。
(一定の場合、簡易課税制度を適用することができます)
・登録を受けない場合は、「適格請求書」を交付できませんが、
課税事業者となる必要はありません。
なお、得意先は、経過措置期間は仕入税額の一部を控除できます。
(経過措置終了後は控除できません)
・必要に応じて、取引先(得意先や仕入先)と取引条件の見直しを相談するなども
検討しましょう。
逆に取引先から相談を受ける場合もあり得ます。
登録を受けるかどうかは事業者の任意です。免税事業者の方は参考にしてみてください。
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