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インボイス制度~口座振替により支払う家賃の仕入税額控除について~
2022年07月06日
こんちには。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
インボイス制度の開始が近づいてきており、
当ブログでも関連する記事を頻繁にご紹介させていただいておりますが、
今回もインボイス制度に関する取扱いをご紹介させていただきます。
【原則】
インボイス制度においては、一部の例外を除いて、
適格請求書の保存がなければ仕入税額控除を受けることができません。
例外的に帳簿のみの保存で仕入税額控除が受けられる取引は下記のものに限られます。
・3万円未満の公共交通機関利用料
・3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
・従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等
・その他一定のもの
しかし、これら以外にも請求書や領収書が発行されない取引は想定され、
例えば口座振替により毎月支払う家賃があります。
一般的に家賃は最初に不動産賃貸契約を交わし、
その後は請求書や領収書が発行されることがありません。
では、この場合は適格請求書の保存要件を満たさず、
仕入税額控除を受けることができないのでしょうか?
国税庁のQ&Aにてこの場合の取扱いが紹介されていますので、解説させていただきます。
【口座振替等による家賃の支払の取扱い】
まず、たとえ請求書や領収書が交付されない取引であったとしても、
上記の例外を除いて、仕入税額控除を受けるためには適格請求書の保存が必須となります。
ただし、適格請求書の記載事項は必ずしも1枚の書類の中に記載される必要はないとのことです。
つまり、複数の書類を寄せ集めて適格請求書の要件を満たすのであれば、
これら複数の書類の保存をもって仕入税額控除を受けることが可能とされています。
具体的には、賃貸契約書に下記③以外の事項を記載しておき、
預金通帳において③取引年月日が記載されているのであれば、
これら2つの書類をもって適格請求書の要件を満たすこととなり、
仕入税額控除を受けることができます。
(適格請求書の記載事項)
①発行者の氏名又は名称
②登録番号
③取引年月日
④取引の内容
⑤税率毎の合計金額及び適用税率
⑥税率毎に区分した消費税額等
⑦書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
【注意点】
インボイス制度の実施前(つまり令和5年9月30日以前)に契約した賃貸借契約については、
その契約書に登録番号が記載されていないことが想定されます。
この場合は既存の契約書と預金通帳だけでは
②登録番号の記載が不足していることになるため、対応が必要です。
賃貸契約書を作り直すことも一つの方法ですが、
より簡便な方法として登録番号を別途書面にて通知する方法があります。
この場合には、不動産賃貸契約書、登録番号の通知書、預金通帳の3つの書類をもって
適格請求書の要件を満たすことになります。
一般的に家賃は金額が大きいケースが多く、
家賃の仕入税額控除を否認されれば納税額への影響も大きくなります。
ついつい書類の交付がある取引への対応にばかり注意が向きがちですが、
請求書等の交付がない取引についても再度ご検討をお願い致します。
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