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消費税「インボイス制度」導入に伴う企業への影響
2021年08月25日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
2023年10月1日より、
消費税の「インボイス制度」が導入(実施)されることになっており、
企業にとっては事務負担の増加や販売システムの変更等、様々な影響があると思われますが、
最も影響が大きいと思われる「免税事業者への対応」についてお話しします。
インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」といい、
請求書等の発行方法と保存方法が大幅に変わります。
インボイスとは「適格請求書等」のことです。
インボイス制度には、
インボイスがないと仕入税額控除を受けられない、という重大なルールがあります。
消費税を納付する義務がある課税事業者は、
顧客などから預かった消費税を税務署に納めなければなりませんが、
この時、課税事業者が仕入先に支払った(預けた)消費税の額を差し引くことが出来ます。
これが仕入税額控除です。つまり、仕入税額控除が出来ないと、
課税事業者が税務署に支払う消費税が多くなってしまいます。
仕入税額控除については、今回経過措置が設けられていますが、今回は割愛させて頂きます。
インボイスは誰でもどの会社でも発行できるわけではありません。
インボイスを発行できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
そして適格請求書発行事業者になるには
税務署に適格請求書発行事業者の登録申請(2021年10月1日より申請開始)を提出し、
適格請求書発行事業者として登録する必要があります。
適格請求書発行事業者になれるのは原則、課税事業者だけです。
零細企業や個人事業主などの免税事業者は、そのままではインボイスを発行できません。
そこで、免税事業者に仕事を依頼している企業は、
インボイス制度が導入されると「割高発注」と「事務作業の増加」という
デメリットを抱える可能性があります。
その対処方法として以下の方法を紹介します。
①課税事業者になるよう依頼する
課税事業になれば適格請求書発行事業者になることができ、
発注企業は仕入税額控除ができます。
免税事業者である個人事業主や小規模企業にとっては、
インボイス制度の導入を機に課税事業者になれば、事業を拡大できるかも知れません。
しかし免税事業者にとって課税事業者になることは、
経理業務や税務業務が増加し、「荷が重い」選択とも言えます。
②値引き要請する
免税事業者に仕事を依頼している企業が、
インボイス制度によって「割高発注」になるのであれば、
値引き要請を検討する必要があります。
しかしこれも簡単な話ではありません。大幅な値引きを要請すれば、
両者の力関係にもよりますが、優秀なフリーランスや仕入先に逃げられる可能性があります。
③免税業者からの仕入を止める
免税事業者に仕事を依頼することでデメリットが生じるのであれば、
取引を止めてしまうことも選択肢のひとつです。
その代わり、免税事業者に発注するメリットも失われることになります。
短納期に応じてくれたり、その事業者しか持っていないスキルや技術、
商品やサービスもありますので、慎重な検討が必要です。
但し、これらの対処方法は強引に行うと、下請法や消費税価格転嫁対策特別措置法等に
違反する恐れもありますので、慎重な対応が必要です。
いずれにしても、企業の経理担当者は、インボイス制度が導入される前に、
免税事業者(外注先や仕入先)との取引状況をチェックして、
それぞれの取引を継続することのメリット・デメリットを整理しておくことをお勧め致します。
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