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事業年度をまたいだ場合の国庫補助金の圧縮記帳

2021年07月28日

経営財務部

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。

今回は事業年度をまたいだ場合の国庫補助金の圧縮記帳について紹介致します。



国庫補助金の圧縮記帳とは固定資産の取得や資本的支出に充てるために交付された

国庫補助金、都道府県補助金、市町村補助金、その他の補助金又は給付金で、

交付目的に適合した固定資産を取得又は改良した場合には、

その資産の取得価額からその資産の取得のために支出した国庫補助金等の額を

控除した金額を下らない金額に圧縮して記帳することが認められ、

その圧縮した金額は所得の計算上損金に算入できるという制度です。


適用要件や処理方法などについては割愛させて頂き、

今回は資産の取得や補助金等の交付が事業年度をまたいだ場合の取扱いに注目したいと思います。




【資産の取得等が事業年度をまたいだ場合】

補助金等の交付決定等があった事業年度に資産の取得等が間に合わず、

その翌事業年度以後において資産の取得等があった場合には、

その補助金等の交付決定等があった事業年度においては

本来収入として計上すべきところを仮勘定として経理し、

資産の取得等があった事業年度にその仮勘定を取り崩し収入として計上し、

圧縮記帳の適用を受けることができます。


【補助金等の交付が事業年度をまたいだ場合】

資産の取得等のあった事業年度において

補助金等の交付決定があったものの入金となっていない場合や、

分割して支払いを受けることで事業年度をまたいでしまう場合については、

交付決定により補助金の額について権利が確定したものと考えられるため、

まだ支払を受けていなくともその決定のあった補助金等の全額を収入として計上し、

圧縮記帳の適用を受けることとなります。



これらの取扱いは圧縮記帳の目的が補助金等による税負担を将来に繰り延べることで、

補助金等の効果を十分に受けられるように配慮していることに鑑み、

補助金等を圧縮できないで収入としてしまうと、

その補助金等にかかる税金分だけ資産の取得資金が不足することになり、

補助金等の交付の目的が達成出来なくなる可能性があるため、

その調整手段として認められているものになります。



こういった制度は実務での判断が難しい事例も多く、

通達等を参考に解決することもありますが、

制度の趣旨から検討し適用要件を満たすか判断していかなければならない場面もあります。




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