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所得拡大促進税制について(令和3年度税制改正)
2021年07月07日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は、令和3年度税制改正において期間延長と要件の見直しが行われた
所得拡大促進税制についてご紹介します。
【所得拡大促進税制の改正】
所得拡大税制は、平成25年税制改正において創設され、
以降2~3年毎に期間延長及び内容の見直しが行われ、現在に至っています。
弊所のブログで過去にご紹介した内容については下記の記事をご参照下さい。
2014年8月27日 『所得拡大促進税制について』
http://www.kubotax.com/blog/2014/08/post-514.html
2017年4月26日 『所得拡大促進税制の見直しについて』
http://www.kubotax.com/blog/2017/04/post-653.html
2018年1月31日 『所得拡大促進税制の改正について』
https://www.kubotax.com/blog/2018/01/post-693.html
今回の改正内容は、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に
開始する事業年度(個人事業者の場合は令和4年から令和5年までの各年)
について適用されます。
【改正の内容】
適用要件:
○改正前
・従業員への給与の合計額が前年より増加していること
・継続雇用者への給与の合計額が前年より1.5%以上増加していること
○改正後
・従業員への給与の合計額が前年より1.5%以上増加していること
今回の改正で、継続雇用者(※)が要件から外されることになりました。
これにより、期中に入退社した従業員の給与も含めて計算することになります。
※継続雇用者・・・従業員のうち24ヶ月連続して給与を支給している人
【「従業員への給与の合計額」の範囲について】
1.給与は給与所得となるもの(給料や賞与など)が該当します。
所得税法非課税となる通勤手当についても給与所得となるため給与に含めて計算します。
ただし、継続して通勤手当を除いて計算しているときは含めずに計算する方法も認められます。
2.給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(※1)を除きます。
※1 給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額
→次のものが該当します。
①給与の支給に係る負担を軽減させる目的で交付される助成金
(業務改善助成金など)
②給与の支給実績を基礎として交付される助成金
(キャリアアップ助成金、雇用調整助成金、緊急雇用安定助成金など)
③出向している社員に給与を支払っている場合の、出向先から入金される給与負担額
ただし、②の助成金のうち、雇用安定助成金額(※2)に該当するものについては
他の者から支払を受ける金額に含めずに(給与の合計額から除かずに)計算します。
※2 雇用安定助成金額
国や地方公共団体から交付される次の助成金をいいます。
①雇用調整助成金・産業雇用安定助成金・緊急雇用安定助成金
②①に上乗せされる助成金、地方公共団体から支給される①に準ずる助成金
【「雇用安定助成金額」の取扱い】
上記※2に記載した雇用安定助成金額は、原則考慮せずに(給与の合計額から除かずに)
計算を行いますが、控除額を計算する際には一定の考慮をする必要があります。
【前期】給与:1,000万円、助成金:100万円
【当期】給与:1,500万円、助成金:300万円
→次のどちらか少ない金額の15%を法人税額から控除することができる
①雇用安定助成金額を控除せずに計算した金額
1,500万円-1,000万円=500万円
②雇用安定助成金額を控除して計算した金額
(1,500万円-300万円)-(1,000万円-100万円)=300万円
この場合は②の300万円×15%=45万円が控除額になります。
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