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資本金の額により異なる税制
2021年04月21日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は資本金の額により異なる税制についてご紹介いたします。
【資本金について】
会社法445条第1項で株式会社の資本金の額は、
設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して
払込み又は給付をした財産の額とされています。
資本金は株主が会社に出資した金額のことですが、調達した資金を全て資本金とせず、
最大で1/2を資本準備金として計上することができます。
資本金が少なければ、取引先に対し経営体力に不安がある印象を与え、
逆に多ければ経営が安定し信頼できる企業という印象を与えられます。
しかし、資本金の額によって税務上の取扱いが異なりますので、
資本金の額を決める場合には注意が必要です。
【資本金の額により異なる税制】
資本金 1,000万円未満
1.新規設立法人の場合には、設立第1期と第2期の消費税が免除されます。
(第1期における事業年度開始の日から6ヶ月間の課税売上高
もしくは給与額が1,000万円以下の場合です。)
2.法人住民税の均等割が抑えられます。
(均等割は資本金以外にも資本準備金等の金額も含まれます。)
資本金3,000万円以下<青色申告を前提>
1.中小企業投資促進税制等の税額控除ができます。
機械装置、工具器具備品、ソフトウェアなどの取得価額の7%を税額控除できます。
(但し、法人税額の20%が上限)の税金が免除となります。
資本金1億円以下<青色申告を前提>
1.法人税の税率が所得金額800万円までは資本金が1億円を超える企業が23.2%に対し、
1億円以下であれば軽減税率15%が適用されます。
2.税法上の交際費等は経費処理できませんが、
資本金が1億円以下であれば800万円以下の交際費等が全額経費で落とせます。
3.欠損金の全額を翌年以降10年間、所得金額から繰越控除できます。
4.欠損金の繰戻還付ができます。
赤字年度の確定申告で納付した過去の法人税の一部又は全部の還付を受けることができます。
5.30万円未満の少額減価償却資産を全額損金に算入できます。(但し、300万円が上限)
6.各種特別償却、特別控除ができます。
7.法人事業税の外形標準課税の対象外となります。
外形標準課税は赤字・黒字に関係なく課税されますが、対象外になると法人事業税はゼロとなります。
資本金5億円超
資本金が5億円を超えると会社法上は大会社となるので、会計監査人の設置が義務づけられます。
会計監査設置会社は、監査法人などど監査契約を締結し会計監査を受ける義務があり、
費用負担が発生するとともに管理部門の負担も大きくなります。
御社にとって適正な資本金の額なのか1度ご確認いただければと思います。
税理士法人 久保田会計事務所では法人税や所得税等の税務申告だけでなく
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