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一時帰国者への源泉徴収義務

2021年04月14日

経営財務部

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。

今回は一時帰国者への源泉徴収義務について紹介致します。



新型コロナウイルスの感染拡大から1年以上が経過しましたが未だ終息せず、

また変異株等も発見され国際ビジネスに影響を及ぼしています。

このような状況の中、海外赴任中の出向者が一時帰国し、

日本国内で業務に従事するケースも多く見受けられるようになりました。

このような場合に日本法人が一時帰国者へ給与や手当を支給していた場合には、

日本での勤務に対応する期間分が「国内源泉所得」となり源泉徴収が必要になります。



【非居住者の課税対象】

所得税法では日本を1年以上の期間離れる予定の方については、

出国日の翌日から非居住者と定めています。

非居住者は「国内源泉所得」のみが日本での課税対象となり、

海外にいる期間は日本国内にある不動産の収入や

株式の配当などのみが日本での課税対象となります。

また海外出向の場合、日本法人が留守宅手当などの名目で

出向者へ給与となるものを支給されるケースがありますが、

これらは出向者が「国内において行う勤務」を行っていないため

「国内源泉所得」には該当しません。



【一時帰国者への源泉徴収義務】

上記を踏まえ一時帰国者への源泉徴収義務をご説明します。

1年以上の予定の海外赴任者が一時帰国した場合には所得税法では非居住者とされます。

その非居住者が一時帰国し業務に従事した場合には、

日本法人が支給していた留守宅手当等はもちろん、

出向先から支給される給与等についても

「国内において行う勤務」に対して支給された「国内源泉所得」となります。

つまり出向者において所得税の課税対象となりますので、

支給した日本法人には源泉徴収義務が生じることになります。



またこの場合において海外出向先から支給される給与等については、

日本と赴任地国との租税条約で「短期滞在者免税制度」が設けられている場合には、

日本での課税対象から除かれるという規定があります。

短期滞在者免税の要件は滞在日数のカウント方法などが

租税条約(相手国)によって異なりますが、

おおむね以下の3つの要件を全て満たしている場合に適用されます。

① 日本での滞在期間が一課税年度又は継続する12ヶ月を通じて合計183日を超えないこと

② 給与等の報酬が滞在地国(日本)の企業から支払われないこと

③ 給与等の報酬が滞在地国(日本)に所在する雇用者の恒久的施設によって負担されていないこと



この要件に照らすと海外出向先から支給される給与等は

上記3要件を満たすので免税となりますが、

日本法人が支給した給与等は②を満たさないので免税の対象とはなりません。



コロナ禍の影響でイレギュラーな業務の対応に追われ見落としがちな部分となりますが、

海外出向者がおられる事業者様はご注意下さい。

また今回ご紹介したものは従業員についてのものとなり、

役員については上記取扱いとは異なりますので、併せてご注意下さい。



税理士法人 久保田会計事務所では法人税や所得税等の税務申告だけでなく

相続対策や事業承継のお手伝いや経営コンサルティングを通してお客様の継続と発展を支援致します。



京都で50年間積み重ねた経験が、きっと皆様のお役に立つものと信じております。

地下鉄丸太町駅より徒歩五分、税理士法人 久保田会計事務所に何でも御相談下さい。



お待ちしております。



              
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