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最近の中小企業のM&A事情
2021年02月10日
こんにちは、経営財務部です。
近年、中小企業においてもM&Aが盛んに行われるようになったのは、ご周知のとおりです。
特に、地域金融機関が事業承継の解決策の一手法として活発に推し進めているようです。
そこで今回は、最近の中小企業におけるM&Aの傾向についてご紹介したいと思います。
M&Aと言えば、売主側にとっては、現経営者に後継者がおらず、
ハッピーリタイヤのために会社を(事業)を売却する、
または、売却した資金で次の事業展開をする等のケースが多かったと思います。
買い主側にとっては、販路開拓・市場開拓・シェア拡大等の事業規模拡大や
多角化戦略のための手段としてM&Aが活用されてきました。
しかし、最近はその事情が少し変わってきたように思います。
特に新型コロナウィルス感染症拡大に伴って、売主・買主共に以前と違った思惑があるように感じます。
先日、東京商工リサーチ(TSR)京都支店が発表していましたが、
2020年中に京都府内の企業で、休業・廃業・解散した件数が790件に上り、
これまで最多だった2014年の775件を超えて過去最多だったそうですが、
これは、あくまでもTSRが把握している数に過ぎません。
個人商店や飲食店など、もっと沢山の企業が廃業に追い込まれていると思われます。
そして、昨年はコロナ緊急融資や助成金・給付金などのコロナ支援策で、
何とか持ちこたえていた企業が、2回目の緊急事態宣言を受けて、
行政の更なる支援策がなければ、年度末に向けて、
休業・廃業・解散する企業は加速度的に増えていくと予想されます。
また、日本政策金融公庫のアンケート調査では、
中小企業の経営者の半数が廃業を考えていると回答しています。
このことからも分かるように、経営環境の変化の中で企業経営が行き詰まっており、
コロナ禍を契機に一気に休業・廃業・解散する企業が増えてきたことが推察されます。
実際、私どもが昨年から手がけた案件の殆どが、株価や事業価値はないのですが、
所有不動産をセットで売却することで案件化出来たものばかりです。
ですから今後は、売主側の思惑としては、企業経営の閉塞感から逃れたい、
ハッピーリタイヤとは言えないまでも売却代金で借金を清算したい、
私的・法的整理の一環として、少しでも資金が出来れば、等が考えられます。
また、買い主側の思惑としては、前述のものに加えて、コロナ禍で本業の見通しが立たないので、
余裕のあるうちに、自社の経営資源を活かして、他分野の事業に進出したい、
コロナ禍で他社の事業を比較的安く買っておき、コロナ収束後一気に攻勢をかけたい、等が考えられます。
いずれにしても、まだまだコロナの収束は見通せず、
コロナ収束後の経営環境もどう変わっているか予想もつきません。
ただ、コロナ禍によってM&A事情も変わったことは確かです。
事業を継続するにせよ、休業・廃業・解散するにせよ、売却するにせよ、
お困りのことがございましたら、お気軽にお問合せいただけましたら幸いです。
平日 9:00 ~ 17:30