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電子帳簿等保存法の見直しについて

2020年12月23日

財務事業部

こんにちは経営財務部です。

今月12日に令和三年度税制改正大綱が発表されました。

今回はその大綱の中から電子帳簿保存法の見直しについてご紹介したいと思います。



電子帳簿保存法につきましては前回の税制改正でも見直しがされており、連続での改正となりました。

今回の大綱では、帳簿等書類の保存と国税関係書類のスキャナ保存の両方が大きく見直しとなっています。



【帳簿等書類の保存について】

いわゆる総勘定元帳や仕訳日記帳等の書類の保存ルールについて、以下のように改正されることとなりました。


・承認制の廃止

・一般的なシステムのデータでの保存によることができる

・適正に要件を満たして電子帳簿を保存していた場合、

その電子帳簿上の申告漏れにかかる修正申告については過少申告加算税が5%少なくなる

(隠匿、仮装があった場合を除く)





【国税関係書類に係るスキャナ保存制度について】

領収書などの国税関係書類をスキャンして保存する方法について以下のような改正がされることとなりました。



・承認制の廃止

・タイムスタンプの付与期間を、3日から記録事項の入力期間(最長2ヶ月以内)とする

・自署による署名が不要に

・システム上で訂正削除を行った内容が記録として確認できる場合は、

その訂正削除についてタイムスタンプは必要ない

・適正事務所利要件(相互牽制、定期的な検査及び再発防止策の社内規定整備等)を廃止

・検索要件の緩和

なお、スキャナ保存された書類の内容について隠匿、

仮装があった場合には重加算税が通常の率に10%プラスされます。



これらの改正は令和4年1月1日施行予定となっており、

帳簿書類についてはこの日以降に備え付けをするもの、

領収書等については同日以後の取引について対象となります。



【まとめ】

内容としては基本的に現行の制限を大幅に緩和もしくは廃止する改正となっています。

これまで、電子帳簿等保存法の規定に沿って資料をデータ化しようとしても、

制度が複雑かつ煩雑であまり実用的なものとは言えませんでした。



今回の改正の後にスキャナ保存の要件にあるタイムスタンプがより一般的になれば、

運用がシンプルになり小規模な法人でも活用できる制度として広まるかもしれません。

人的、物的なコストの面で越えるべきハードルはまだあるかもしれませんが、

紛失リスクの回避や社内スペースの活用などメリットもございますので、

積極的に検討してもよいのではないでしょうか。



              
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