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年末調整手続きの電子化について

2020年12月16日

財務事業部

こんにちは、経営財務部です。

今回は、今年度(2020年度)から始まった年末調整の電子化についてお話ししたいと思います。



概要】

年末調整の電子化とは、

これまでは年末調整時に手書きで行っていた年末調整に必要な帳票の作成を専用ソフトへ入力する、

保険会社等から提供を受けた電子データを取り込むといったかたちで行い、

勤務先への提出についてもデータで行うというものです。


メリットとして、国税庁のサイト(https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm)では

①保険料控除など、控除額の計算間違いがなく、検算が不要となる。

②作成帳票はデータでの保管となるので、書類保管コストを削減できる



といった効果が期待されるとされています。

また、スマホやタブレット用のアプリもリリースされているので、

パソコンからだけでなく、スマホ等からも作成が可能というのもメリットとされています。



年末調整業務フローのイメージとしては、下記のような流れとなります。



①従業員が、自身で保険会社等から控除証明書等のデータを取得

②取得したデータを国税庁がリリースしている「年末調整ソフト」等に取り込んで、

従業員が毎年の年末調整で提出している資料をデータで作成する(控除額等は自動計算される)


③会社は従業員から提出を受けたデータを給与ソフト等に取り込んで、年末調整での年税額を自動計算し、

提供を受けたデータを保管する




【実際に使用してみて】

上記メリットが期待される年末調整の電子化ですが、導入については事前準備(税務署への届出や、

給与ソフトの改修等、従業員への周知など)が必要であり、

その上で、勤務先側や従業員の方として実際にどれほどの効率化が図れるのか、

どのようなトラブルが想定されるのかなど不透明な部分が多いです。



弊所でも、今年度の年末調整からお客さまへの導入を検討しましたが、

いきなりお客さまへの導入はハードルが高いと判断し、

今年度は弊所職員自身の年末調整で試験導入してみました。

ブログ掲載日(2020.12.16)現在では、各従業員が年末調整データを勤務先へ提出したという段階です。

そこまでの段階で、数名感想を聞いてみました。



概ねソフトの操作自体は難しくなかったが、入力したデータについて、

従業員自身でのチェックが甘くなってしまう(画面上での確認のため)や、

ソフトのインストール方法が分かりにくかったなどの感想を聞いています。

また、2020年度現在では、保険の控除証明書等について、

電子データ提供を実施している保険会社等の数が少なく、

マイナポータル連携や控除証明書等のデータ取り込みも含め、

完全に電子化できた職員はいなかったというところが現状です。

結果、年末調整ソフトで帳票作成は行うものの、控除証明書等は紙で勤務先へ提出し、

勤務先は「控除証明書の入力間違いがないか」を確認する作業をすることとなりますし、

控除証明書等は紙で保存する必要があるので、

2020年度の年末調整処理では、当初期待されるほど大きな効果はなさそうだというところでした。



ただ、来年度以降は電子データ提供に対応する保険会社等の数も増えることが予想されますし、

年末調整ソフトの利便性も向上されることが期待されます。

また、デジタル庁も創設され、今後、電子化の流れは加速していくことが想定されますので、

その流れをしっかり捉え、お客さまにもフィードバックさせていただけるように努めて参ります。




              
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