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軽減税率制度 区分経理の実務上の対応について

2020年04月29日

財務事業部

こんにちは、財務事業部です。


2019年10月に消費税率が改正されてから半年が過ぎました。

この改正では税率の引き上げに加えて軽減税率が導入されたことで、

実際の取引現場では少なからず混乱が生じていると感じています。



我々が特に多く目にするのは、商品を購入した場合などに受け取る請求書等が

区分記載請求書等保存方式(以下、「区分記載方式」と略します)に対応していないという事例です。



そこで今回は国税庁が公表している

「事業者の皆様へ(~区分経理から消費税申告書作成まで~)」を基に、

区分記載方式に関する実務上の対応についてご説明致します。



【区分記載方式とは】

まずは、区分記載方式のおさらいです。

区分記載方式においては、請求書等に下記の事項が記載されていなければなりません。



①請求書発行者名

②取引年月日

③取引内容

④対価の額

⑤請求書受領者名

⑥軽減税率の対象品目である旨

⑦税率ごとに区分した合計税込価額



以上の事項が記載された請求書等を保存しておくことが仕入税額控除の要件となります。



区分記載請求書等保存方式についての詳しい内容は以前のブログをご参照下さい。

https://www.kubotax.com/blog/2019/08/post-778.html



しかし、実際の取引においては、

上記の要件を満たしていない請求書等を受け取るケースも多く見受けられます。

そのような場合にはどのように対応すべきでしょうか。



【軽減税率対象品目の区分がされていない場合】

最も多いのが、発行者側において区分記載方式への対応ができておらず、

従来通りの請求書等が発行されるケースです。

つまり、⑥と⑦が記載されていないケースです。


この場合には、受領者側にて⑥と⑦を追記することが認められています。

つまり、受領者が取引事実に基づいて、軽減税率の対象とそれ以外に区分することで要件を満たし、

仕入税額控除が認められることになります。



ただし、ここで注意すべき点は、追記が認められる項目が⑥と⑦のみであるという点です。

それ以外の①~⑤の項目については追記が認められませんので、再発行を依頼することになります。



【間違った記載がされている場合】

次に、受領した請求書等に記載されている軽減税率の対象品目の区分が間違っているというケースです。



この場合は受領者側にて追記や修正を行うことはできません。

追記が認められるのは、⑥と⑦の"記載がない場合"のみです。



よって、税率の区分に誤りがある場合は、

発行者側に再発行を依頼する必要がございますのでご注意下さい。



【最後に】

以上の通り、記載内容に不備のある請求書等を受け取ると、

その誤りの内容次第で適切な対応が変わってくることになります。



しかし、追記をするにしても、再発行を依頼するにしても、

これまでにはなかった事務負担が増えることは避けられません。

なるべく請求書等を受け取られる際に記載内容をご確認いただくことをお奨め致します。



税法は毎年改正が加わり、複雑化しています。

ご不明な点やお困りのことがございましたら、久保田会計事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。

              
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