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生命保険を活用した資金繰り対策
2020年04月22日
こんにちは、経営支援事業部です。
新型コロナウイルスによる事業者への影響がおさまりません。
日本政府も連日のように各施策を発表しておりますが、支援実施までに要する時間や
支援策そのもののボリュームから体力の乏しい中小企業においては不十分で
ある事が否めません。
金融機関からの借入、雇用に係る助成金、
税金関係の納税猶予などは必須の資金繰り対策でありますが、
今回はその他の資金繰り対策として生命保険の活用ケースについてご案内させていただきます。
生命保険の資金繰り活用として代表的なものとしては、
契約者貸し付け・解約・払い済み処理・支払方法の変更などがございます。
それぞれの活用は一定の資金を期待できるもののデメリットもございます。
解約は保障そのものが滅失、払い済み処理の場合には保障金額が縮小、
支払方法の変更(年払いを月払いへなど)は資金支出をコントロールするレベルであり
そもそも活用資金が限られるなどといったデメリットです。
このようなデメリットから先ずは契約者貸し付けが可能かどうかを
検討されることが望ましいです。
生命保険の契約者貸し付けとは解約返戻金部分を担保として
保険会社から資金を借り入れするものです。
メリットとしては保険契約をそのまま継続できるということです。
利回りの良い商品や健康状態が良かったころの保険、これらの保険は一度解約してしまうと
次回加入時に経済情勢や健康状態などにより同様の保険商品に加入することが厳しくなってきます。
保険契約を維持しながら資金確保できることはひとつのメリットです。
また自社の解約返戻金を担保としているため審査に時間を要しないというメリットもあげられます。
生命保険会社によっては即日融資(解約返戻金の70%~90%程度)も可能です。
金融機関からの借り入れは信用保証協会との連携や申込者の殺到などで
1か月程度時間を要しているケースも少なくありません。
借入に時間を要しないことは大きなメリットです。
また、通常は金融機関からの借り入れ同様に利息負担が生じますが、
新型コロナウイルスによりダメージを受けた企業を支援するため、
エヌエヌ生命を皮切りに大手生命保険会社はゼロ金利で支援に取り組むことを発表しています。
契約を継続しスピーディーに無利子で資金確保可能な契約者貸し付けは
併用策として検討の価値ありだと思われます。
注意点としては保障を確保するための生命保険会社との返済条件を
実施できなかった場合に保険が失効するということです。
また、利息が発生する契約者貸し付けでは解約返戻金相当額と貸付額の差額から
利息充当が行われますので充当原資を利息負担が超過すれば保険が失効してしまいます。
貸し付け条件をしっかりと保険会社に確認することが重要ですのでご注意ください。
今回は緊急の資金確保として既存生命保険の活用をご案内させていただきました。
政府の支援策を受けるだけでは不十分である又は支援までの時間が待てないなどといった場合、
生命保険の他、売却・解約が可能な金融商品、返戻交渉が可能な保証金など
自社の財産を改めて検討することが必要かもしれません。
私たち経営支援事業部も幅広い視野をもって
引き続きお客様のサポートを務めさせていただこうと思います。
ありがとうございました。
平日 9:00 ~ 17:30