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MECE(モレなくダブりなく)
2019年11月27日
こんにちは、経営支援事業部です。
今回はビジネスの現場で耳にされた方もいらっしゃると思いますが、
MECE(ミーシー)についてお話しさせていただきます。
MECEとは、4つの単語(Mutually・Exclusive・Collectively・Exhaustive)の
頭文字をとったもので、「互いに排他的、完全に全体集合」といった直訳になりますが、
ビジネスでは「モレなく、ダブりなく」という理解が一般的です。
経営者が会社の問題を定義していくプロセスにおいても
このMECEの考え方は非常に重要です。
問題を解決する基本的な流れは、
問題の定義⇒原因の探索⇒課題の設定⇒対策の立案⇒対策の実行・評価となりますが、
問題を定義する上でモレやダブりがあればその後のプロセスに弊害をもたらしたり、
そもそも問題が解決されない可能性が生じてしまいます。
問題を「モレなく、ダブりなく」構造化するということは非常に重要です。
では具体的に「モレなく、ダブりなく」構造化(分ける)とはどのようなイメージでしょうか。
旅行業界の商品を例に考えた場合、
「国内海外」と「個人団体」という切り口で分けるとしますと、
商品は①国内個人②海外個人③国内団体④海外団体の4種に分けられ
全ての商品が重なることなくどこかのカテゴリーに所属することとなります。
100%MECE状態です。
仮に当期の売上げが減少している問題を特定しようとした場合には
どのように特定していくことになるのかこの商品分類でやってみましょう。
4分類では①国内個人の売上減少が足を引っ張っている、
ではこの国内個人売上を更に具体化した次の階層でも同次元となるように
注意しながら分解してみます。
季節(春夏秋冬)で分解するパターン、地域(北海道・九州・・・)で
分解するパターン・・・といった具合です。
売上減少の問題はどこなのか?と分解されたデータをもとに
「どこどこ分析」を次々と繰り返していきます。
「モレなく、ダブりなく」を忘れずに。
すると当初の売上減少の問題が具体化された問題として特定されてきます。
例えば、売上減少の原因は、国内個人向け商品の秋の行楽シーズン向けで
九州方面の売上が大きく落ち込んでいることが問題です、といった具合に。
こうして問題の特定が行われたのちに、それはなぜなのか?と特定された部分を
「なぜなぜ分析」で深掘りしていくこととなります。
(なぜなぜ分析の深掘りの方法についてはまた別の回でご紹介させていただきますね。)
MECEに戻りますが、モレが生じていれば問題を見逃すことに繋がりかねませんし、
ダブりがあれば問題特定が非効率になる可能性が生じます。
「モレなく、ダブりなく」をセンス良く実行していくことが大切です。
MECEを実施する上での注意点ですが、先ずは全体像を適切に捉えることが重要です。
当初の問題点から考えるべきことの全体は何かを常に意識し、広すぎず狭すぎず
適切な大きさで全体像を決めて「モレなく、ダブりなく」分けることが大切です。
次に分類するための切り口(分類基準)が大切です。
分類基準は常に複数存在してますので、何を目的に分類するのかという目的と
照らしながら分類基準を選ぶことが重要です。
また、100%MECEを目指さないこともポイントです。
1事象を分類する上で、重要な要素が概ねピックアップされた後は
それ以外を「その他」でまとめることも大切です。
ビジネスの現場では100%を目指すことは不可能なケースもありますし、
無意味なケースも多々存在しますので。
さあ、会社の問題を次々に解決するぞ!と意気込むと
問題の数集めとその解決策の絞り出しに焦ってしまって、
視野が狭くなり大切な部分を見落としてしまうなど非常に危険ですし、
こうしたことは非常に起こりがちです。
まずは全体像を慎重に見極め、
その範囲内を「モレなく、ダブりなく」有用な分類基準で分類することが大切です。
適切な範囲を適切に分類出来れば問題解決の質は一気に向上します。
私たち経営支援事業部は、
企業の経営支援をオーダーメイドでお手伝いさせていただいております。
どうぞお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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