KUBOTAX BLOG
- HOME
- KUBOTAX BLOG
- 地方法人特別税の廃止と特別法人事業税の創設
地方法人特別税の廃止と特別法人事業税の創設
2019年10月16日
こんにちは、財務事業部です。
今回は地方法人特別税の廃止と特別法人事業税の創設についてご紹介します。
令和元年10月1日より消費税の増税及び軽減税率並びに
キャッシュレス決済でのポイント還元制度が始まりましたが、
法人課税においても令和元年10月1日以後に開始する事業年度より
地方法人特別税が廃止され、特別法人事業税が創設されました。
【地方法人特別税とは】
地方法人特別税は、税制の抜本的な改革において
偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置として
地域間の税源偏在を是正するための制度として
平成20年10月1日より導入されたものであり、
従前の法人事業税の一部を国税として徴収し、
国が都道府県に財源を再分配することによって
地域での格差を縮小することを目的として創設されました。
【特別法人事業税とは】
特別法人事業税とは、地域間の財政力格差の拡大・経済社会構造の変化等を踏まえ、
県内総生産の分布状況と比較して大都市に税収が集中する構造的な課題に対処し、
都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展することを目的として
新たに創設されました。
【改正前後の税率】
地方法人特別税の廃止及び特別法人事業税の創設に伴い、
地方法人税及び地方税の法人税割並びに事業税の税率も改正されます。
各自治体によって税率が異なるため、このブログでは下記の会社を例に記載します。
・事業所所在地:京都府京都市のみ
・資本金:1,000万円
・法人税額:1,600万円以下
○法人税
・改正なし(15.0%/23.2%)
○地方法人税
・改正前:4.4%
・改正後:10.3%
○法人事業税
・改正前:3.4%/5.1%/6.7%
・改正後:3.5%/5.3%/7.0%
○地方法人特別税
・改正前:43.2%
・改正後:廃止
○特別法人事業税
・改正前:なし
・改正後:37.0%
○府民税法人税割
・改正前:3.2%
・改正後:1.0%
○市民税法人税割
・改正前:9.7%
・改正後:6.0%
【予定納税の経過措置】
令和元年10月1日以後に開始する最初の事業年度は、
予定納税の計算方法について経過措置が設けられています。
・法人事業税------...前年の事業税額÷12×6.3
・特別法人事業税...前年の事業税額÷12×2.3
・地方法人特別税...廃止
・府民税法人税割...前年の法人税割額×1.9÷12
・市民税法人税割...前年の法人税割額×3.7÷12
【実効税率】
①法人税率
②地方法人税率
③法人税割率(府民税+市民税)
④法人事業税率
⑤地方法人特別税率/特別法人事業税率
--------------------①×(1+②+③)+④+④×⑤
実効税率 = ―――――――――――――――
------------------------------1+④+④×⑤
改正前
23.2%+(1+4.4%+3.2%+9.7%)+6.7%+6.7%×43.2%
―――――――――――――――――――――――――
---------------------1+6.7%+6.7%×43.2%
=33.5856%
≒34%
改正後
23.2%+(1+10.3%+1.0%+6.0%)+7.0%+7.0%×37.0%
――――――――――――――――――――――――――
----------------------1+7.0%+7.0%×37.0%
=33.5829%
≒34%
改正前後での実効税率の変更はありません。
平日 9:00 ~ 17:30