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2019年度税制改正大綱について
2019年01月09日
あけましておめでとうございます。財務事業部です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
今回は、2018年12月14日に発表された
2019年度税制改正大綱について書いてみたいと思います。
(概要)
今回の改正は、2019年10月の消費税率10%への引きあげに伴う駆け込み需要と
反動減を抑えることが焦点となっています。
重点が置かれたのは、増税の影響が大きい自動車と住宅の減税、
自動車税の恒久減税や住宅ローン控除期間の延長などが盛り込まれました。
また、仮想通貨などの経済取引の多様化についても言及されています。
企業など法人が有する仮想通貨の評価方法は
「時価評価」を採用すると明示されました。
(主な所得税の改正内容)
【住宅ローン減税の拡充】
消費税10%への増税(2019年10月1日~)対策として、
住宅ローン減税が拡充されます。
現行では、住宅ローン減税を受けることができるのは10年間ですが、
消費税増税後に取得した住宅(消費税率10%が適用されるものに限ります)
については、13年間控除を受けることができるようになります。
なお、11年目~13年目の住宅ローン控除については、
消費税増税分(2%引き上げ分)が上限となります。
【個人事業者の事業承継に対する支援】
2018年度税制改正の法人の事業承継税制により、法人の事業承継について納税猶予が
拡大されました。これが個人事業主にも導入されることになります。
詳しくは 12月26日のブログを御覧下さい。
→http://www.kubotax.com/blog/2018/12/post-742.html
【空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例の見直し】
空き家対策の一環として、
2016年4月から空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例が導入されました。
現行では、被相続人が相続直前に老人ホームに入居していた場合には
適用がうけられないため、使いづらい制度となっていました。
この制度が2019年12月31日に期限を迎えることから、
その適用期限を4年間延長するとともに、
被相続人が相続直前に老人ホームに入居していた場合でも
適用を受けることができるようになります。
(主な法人税の改正内容)
【仮想通貨の評価方法に時価法導入】
法人が保有する仮想通貨の評価については、次の通りとなります。
1.期末に保有する仮想通貨のうち、活発な市場が存在する仮想通貨については、
時価評価により評価損益を計上
2.仮想通貨の譲渡損益は、譲渡契約をした日の属する事業年度に計上
3.仮想通貨の譲渡原価の計算上、一単位当たりの帳簿価額の算出方法を移動平均法
または総平均法による原価法とする(法定算出方法は移動平均法)
4.未決済の仮想通貨の信用取引等については事業年度末に
決済したものとみなして計算した損益を計上
上記の改正は、2019年4月1日以後終了事業年度からの適用となります。
なお、2019年4月1日前に開始し、2019年4月1日以後に終了する事業年度について、
会計上、仮想通貨について時価評価していない場合には、
上記1及び4については適用しないことができる経過措置が設けられます。
【みなし大企業の判定の見直し】
「みなし大企業」の判定が見直されます。
租税特別措置法の中小企業者向けの優遇税制の適用を受けるには、
次の要件を満たす必要があります。
・資本金の額が1億円以下
・従業員数が1,000人以下
ただし、資本金の額が1億円以下であっても、
同一の大規模法人に株式を50%以上所有されている、
または、2以上の大規模法人に3分の2以上保有されている法人は
「みなし大企業」とされ、中小企業者向けの優遇税制を受けることができません。
2019年度改正により、上記に加え、
以下の要件を満たす法人についても大規模法人とされることになります。
・大法人(資本金5億円以上等の法人)の100%子会社
・100%グループ内の複数の大法人に株式等の全部を保有されている法人
(その他の税目)
【ふるさと納税の見直し】
過度な返礼品を送付し、制度の趣旨を歪めているような地方公共団体については、
ふるさと納税の対象外にすることができるよう、制度の見直しが行われます。
ふるさと納税の対象となる自治体の返礼品は、
次の基準をいずれも満たすものとなります。
・返礼品の返戻割合を3割以下とする
・返礼品を地場産品とする
これまでのようなお得感満載といったものはなくなるかと思われます。
【ウイスキー等の酒税の税率引き上げ】
輸入するウイスキー等の酒税の1㎘あたりの税率が下記の通り、引き上げられます。
ウイスキー:60万円 → 80万円
スピリッツ:40万円 → 50万円
リキュール:30万円 → 40万円
2019年10月1日から実施されますので、お好きな方は税率引き上げ前に
買いだめしておくのも良いかもしれません。
【自動車税の引き下げ】
自動車所有者が毎年支払う自動車税については、
消費税率10%引き上げ後に新車新規登録する自家用車を対象に、
排気量に応じて最大4,500円の減税がされることになります。
また、購入時に課される自動車取得税の廃止に代わって、
燃費性能に応じて課される「環境性能割」が新税として導入されます。
燃費課税とも呼ばれ、燃費性能の良い車ほど税負担が軽くなる仕組みで、
燃費性能により購入額の0~3%を納めることになりますが、
2019年10月の消費税増税から1年間に限り税率が1%引き下げられます。
挙げればキリがないのですが、身近に感じる内容のものもいくつかあります。
また、閣議決定されたものは、随時伝えてまいりますので、お見逃しなく!
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