KUBOTAX BLOG
- HOME
- KUBOTAX BLOG
- 「粗利額の高い製品を販売すべきか、粗利率の高い製品を販売すべきか。」
「粗利額の高い製品を販売すべきか、粗利率の高い製品を販売すべきか。」
2018年06月13日
こんにちは、経営支援事業部です。
本日は管理会計を活用した販売戦略についてお話しをさせていただきます。
製商品別の粗利額と粗利率、
どちらも事業を管理する上では非常に重要な指標ですが、
優劣をつけるとすればどちらの指標を重視して
販売戦略を判断すべきでしょうか。
ある事例をもとにお話しさせていただこうと思います。
(事例)
当社は、A製品とB製品を販売しています。
A製品は売価1,000円、粗利額400円(すなわち粗利率40%)です。
B製品は売価600円、粗利額300円(すなわち粗利率50%)です。
仮に製造可能個数は総計で150個、
どちらか1種類を100個製造する体制だとします。
人件費などの固定費は20,000円だとします。
A製品を100個製造して販売すべきか、
B製品を100個製造して販売すべきか、
みなさんなら製造計画をどのように決定されますか。
固定費は、常に20,000円なのだから
粗利額の多いA製品を100個製造した方が会社の儲けは
当然多くなると考えられた方が多いのではないでしょうか、
もちろんそれも一つの正解です。
では計算してみましょう。
A製品:粗利額400円×100個
+B製品:粗利額300円×50個-20,000円
→ 利益は35,000円。もしA・Bの製造個数を逆にすると、
A製品:粗利額400円×50個
+B製品:粗利額300円×100個-20,000円
→ 利益は30,000円。確かにA製品を100個製造して完売した方が、
儲けが5,000円多いですね。
では、それぞれの粗利率に着目し、
損益分岐(儲けがトントンとなる)売上げを計算してみましょう。
A製品を100個とした場合の粗利率は、
(400円×100個+300円×50個)
÷(1,000円×100個+600円×50個)
=約42.30%
B製品を100個とした場合の粗利率は、
(400円×50個+300円×100個)
÷(1000円×50個+600円×100個)
=約45.45%
ここから損益分岐売上げを計算してみましょう。
A製品を多く販売する場合の損益分岐は、
20,000円÷42.30%で約47,281円
B製品を多く販売する場合の損益分岐は、
20,000円÷45.45%で約44,004円
B製品を多く製造するケースの方が
早期に黒字化することが確認いただけると思います。
ここで重要なのは制約条件を慎重に検討すると言うことです。
長期的に利益を確保しつづける、販売を順調に継続できそうな場合は、
一個当たりの粗利額を重視すべきですが、
顧客の購買力に金額的な制約がある、
あるいはその制約が発生する可能性が高い場合は早期に黒字化を実現できる
粗利率を重視すべきケースもあるということです。
いかがでしょうか。一例ではありますが、
経営情報を数値化することでより確度の高い経営判断をくだせることが
ご理解いただけると思います。
当事業部では管理会計を用いることで
様々な経営判断を支援し企業の継続発展をお手伝いしております。
お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
平日 9:00 ~ 17:30