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相続税法と民法の関係
2017年02月15日
こんにちは、相続支援事業部です。
先日、最高裁で相続税の節税を目的にした養子縁組が有効かが
争われた訴訟の判決が出ました。
結果的には現状に沿う判断となりましたが、
養子については相続税法と民法の取扱が異なります。
(民法と相続税法の主な規定範囲)
民法については、相続の項目がありますが、
民法では、相続において「誰がもらえるか」を主に規定しています。
例えば、法定相続人や法定相続割合の「法定」は民法で定められたという意味です。
民法上は、養子の数に制限はありませんので何人でも養子にすることは可能です。
一方、相続税法では相続税や贈与税を「どう計算するか」を主に規定しています。
相続税の計算上は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人と
法定相続人としてカウントできる養子の数を制限しています。
(相続税法第63条)
今回の判決によって、相続対策としての養子縁組が有効と認められましたが、
相続税法第63条においては、養子の数に関して別の規定を設けています。
法定相続人になれる養子の数について、法定相続人の数に算入することが
相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合においては、
税務署長はその養子の数を法定相続人の数に算入しないで
相続税の課税価格及び相続税額を計算することができる
という趣旨の規定です。
養子縁組をした理由が正当で無ければ、養子の数を否認される恐れはあります。
例えば、被相続人が意思表示が出来ない状態にも関わらず養子縁組がされていたり
当事者が知らないうちに養子縁組がされていた場合などが考えられます。
養子縁組をした理由が正当でないかどうかの判断は非常に難しいものがありますが、
養子の数を否認する規定がある以上は、留意した方が良いでしょう。
(相続対策としての養子縁組)
相続対策としての養子縁組は、富裕層を中心に比較的浸透しています。
ただ、養子縁組をする事に対して、抵抗感があることも事実ですし
家族関係が変化して遺産争いにつながるリスクもあります。
節税効果がある対策だけが相続対策ではありません。
相続税がかかるかどうかを把握して頂き、お金だけでは無く家族関係を加味して
いろいろな対策を講じる必要があると考えられます。
相続対策をお考えの方は、ぜひ一度ご相談下さい。
平日 9:00 ~ 17:30