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相続税申告書の提出と納税
2015年10月28日
こんにちは、相続支援事業部です。
ご存知の通り、平成27年1月1日より基礎控除が下がったことにより
相続税の課税対象者が増えると見込まれています。
相続税申告書を提出しなければならない人が増える一方で
納税が必要ない人も増えると見込まれています。
申告書を提出しなければならないけれど
納税が必要ない状態とはどういうことでしょうか。
分かりやすいように簡単な事例を挙げて考えてみます。
(事例)
父が平成27年10月1日に亡くなり、
母と子2人の合計3人が父の財産を相続したとします。
父が残した財産は自宅の土地・建物と現預金のみとし
土地:2,000万円(相続税評価額)
建物:500万円(相続税評価額)
現預金:3,000万円とします。
(相続税の計算)
このまま何も相続税の特例を受けないとすると
相続税額は
2,000万円+500万円+3,000万円=5,500万円(課税価格合計)
5,500万円-4,800万円(※基礎控除額)=700万円
(※)3,000万円+600万円×3人(法定相続人の数)
700万円をもとに相続税を計算しますので
母と子2人の相続税の合計額は70万円となります。
(配偶者の税額軽減の特例を受けない場合)
「このまま何も相続税の特例を受けない」と、この金額を納税しなければなりませんが
相続税の計算上は様々な特例がありますので、
1つの特例を適用して計算をしてみます。
(小規模宅地等の特例)
相続税の計算上、相続により取得した土地で、
一定の用途(事業用、居住用、貸付用など)に供されているものについては、
要件を満たした場合、相続税の課税価格に算入すべきその土地の価額を、
一定の割合で減額することが出来ます。
本事例では母が自宅である土地・建物を取得したと仮定し
面積要件など全ての適用要件を満たしたとします。
これにより、自宅のある土地が特定居住用宅地等として特例をうけ、
土地の相続税評価額からその8割を減額することが出来ます。
2,000万円×80%=1,600万円
これを受けた上で相続税額を計算すると
(2,000万円-1,600万円)+500万円+3,000万円=3,900万円
となり、基礎控除額4,800万円を下回ります。
これにより相続税の納税はゼロです。
(特例の申告要件)
この小規模宅地等の特例を受けるためには、相続税の申告書に
小規模宅地等の特例を受ける旨を記載し、明細書等を添付して
申告書を提出しなければなりません。
つまり、申告書を提出しなければ特例を受けることができません。
申告書を提出して特例の適用を受ければ、
申告書を提出しなければならないけれど納税が必要ない状態となります。
上記のように相続税の特例には適用要件の他、申告要件もあります。
相続税がかかるか、また申告書を提出しなければならないか、
ご不明な方は、是非当事務所までご相談下さい。
平日 9:00 ~ 17:30