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匿名組合を通したオペレーティングリースによる節税スキーム

2015年04月08日

財務事業部

こんにちは、財務事業部です。

厳しい寒さの季節がようやく過ぎ去り、桜の季節になりました。

京都の鴨川や二条城では、今年も多くの桜がきれいに咲くことでしょう。

この時期だけは雨風にご容赦頂き、

一日でも長く桜の時間が続いてほしいと願っているのは

私だけではないのではないでしょうか。

(リース契約)

皆様はリース契約についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

リースとは必要な資産をレンタルするための契約、というイメージが大半かと思います。

しかし、それだけではありません。

実はリース契約と一言で言っても、法律上は複雑に分類されており、

リースの種類によってなすべき会計処理も異なるのです。

ゆえに我々は、お客様が新規のリース契約を結ばれた際には、

契約書を細かく確認して、細心の注意をもって処理方法を判断します。

(匿名組合を通じた節税スキーム)

航空会社や船舶会社が、航空機や船舶を購入するには莫大な資金が必要です。

そこで、匿名組合という団体が出資を募り、

その出資金で購入した航空機などを航空会社や船舶会社にリースします。

この匿名組合への出資が節税スキームの一つとして

有効活用できるケースがございます。

なぜ匿名組合に出資することが節税対策になるのか、その仕組みはこうです。

(節税スキームの仕組み)

匿名組合は航空機等をリースすることによって、

利益又は損失を計上することになります。

そして、その利益又は損失は出資者に対して、(出資割合に応じて)配分されます。

重要なポイントは、リース期間の前半において

匿名組合は必然的に大きな損失(赤字)を計上する仕組みになっているということです。

※その理由は、収益であるリース料は

リース期間を通してほぼ同額であるのに対して、

費用となる減価償却費や銀行借入利息については

その大部分がリース期間の前半に計上されるためです。

その損失は各出資者に配分され、

出資者である会社の損失として計上され、利益と相殺されます。

つまり、出資先の匿名組合の損失を受け入れることにより、

出資者は節税を図ることができるのです。

(節税スキームの問題点)

しかしながら、あらゆる事柄において往々にして言えることですが、

この節税スキームにも注意しなければならない点があります。

まず重要なことは、リース期間が経過するに伴って、

(減価償却費が減少していくため)匿名組合に利益の発生が見込まれるということです。

これらの利益もまた、出資者に分配され、

リース期間前半とは逆に課税所得を増加させることになります。

さらに、最終的に匿名組合が航空機等を売却処分した際には

大きな譲渡益が計上される可能性があることも考慮しておかなければなりません。

また、このスキームはリース期間を通じて

必ずしも利益が得られることが保証されているということではありません。

為替や、航空機等の売却時の中古機市場の動向によって

大きく左右される点にも注意が必要です。

このように、今回ご紹介した節税スキームは一時的な節税効果は期待できるものの、

その反動による利益増大も考慮しなければならず、

さらには最終的な利益が保証されない等のリスクもあり、

経営の長期的展望を見定めた上で行うべきものです。

当事務所では、企業の継続発展のために、

経営者様の視点に立ち、会社の将来を一緒に考えさせて頂きたいと考えています。

経営や税務のことでお悩みをお持ちの方がおられましたら、

一度お気軽に当事務所にご連絡下さい。

我々が何か力になれることを事務所一丸となって検討させていただきます。

              
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