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相続税法と民法の関係性について

2014年10月01日

相続事業部

こんにちは、相続支援事業部です。

先日、民法の改正案がまとまりました。

民法と聞いて皆さんはどんなイメージが浮かんだでしょうか。

今回は意外と知られていない民法と相続税法の関係について考えたいと思います。

(民法とは)

日本における民法とは、私法の一般法について定めた法律とされ、

私人(個人や法人)間の権利関係を規律しています。

その歴史は古く、明治29年法律第89号により定められた民法第一編、第二編、第三編

及び、明治31年法律第9号により定められた民法第四編、第五編で構成され、

明治31年7月16日から施行されました。

明治41年に施行された刑法と比べても古いことがわかります。

現行民法の構成は、総則、物権、債権、親族、相続となっています。

実は民法における相続の項目は、民法施行時に既に含まれています。

民法において親族や相続が規定されているなら

相続税法は必要でないと考える方もおられるでしょう。

しかし、民法において規定されているのは相続や贈与についての権利関係等であり、

相続税額の計算については相続税法で詳細が規定されています。

さらに、相続税法においては、課税の公平性等を担保するため、

民法とは異なる規定を定めている部分があります。

(民法と相続税法の相違点①)

民法と相続税法の相違点で代表的なものは、法定相続人に関するものです。

特に、養子についての取り扱いに違いが見られます。

民法において、養子の数に制限はありません。

しかし相続税法においては、被相続人(亡くなられた方)の実子の有無で、

基礎控除額等を計算する際の法定相続人となれる養子の数が限定されます。

被相続人に実子がある場合、養子について1人まで法定相続人として認められます。

また被相続人に実子がない場合、養子について2人まで法定相続人として認められます。

さらに実子とみなされる者として、

①特別養子縁組により養子となった者
②被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者(連れ子)
③実子又は養子の代襲相続人

が挙げられます。
法定相続人の人数により税額が異なってきますので、

法定相続人の判定には慎重を期す必要があります。

(民法と相続税法の相違点②)

さらに民法と相続税法の相違点として、みなし相続財産が挙げられます。

相続税法の課税財産は民法上の相続財産を含み、かつそれより広くなっています。

代表的なものとしては、保険金、死亡退職金、生命保険契約に関する権利などです。

法律と聞くと法律用語などによりお堅い世界と感じますが、

特に民法には身近な問題が広く含まれます。

家を借りる際の敷金の取り扱いや、商品や契約を結ぶ際の約款などについて

今回の改正でルールが設けられます。

私たちの生活に関わるものとして民法についての知識を得ると、

民法へのなじみの薄さも解消されるかもしれません。

              
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