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「問題」と「課題」
2014年07月23日
こんにちは、経営支援事業部です。
今回は企業活動やいろいろな場面でよく使われる「問題」と「課題」について、
それぞれの正しい意味を理解することで企業活動の参考にしていただければ幸いです。
「問題」とは、あるべき状態や最低限必要な状態から不足している状況や
足りないことがある状態であり、問題を解決してもあるべき状態に戻るだけです。
これに対して「課題」とは、目標やなりたい状態に向かってすべきこと、
即ちその課題を解決しないと目標は達成できないし、なりたい状態には至りません。
例えば、「フルマラソン(42.195㎞)を完走する」という目標を立てた人がいたとします。
その人は先日自転車で転けてしまい、足首を捻挫してしまいました。
整形外科で治療を受けているのですが、全治2週間と診断されました。
この場合「問題」は足首を捻挫していることであり、
「課題」はフルマラソンを完走するための体力や脚力を付けることです。
既にお解りの通り、足首の捻挫を治しても(問題の解決)通常の健康な状態に戻るだけであり、
フルマラソンを完走することは出来ません。
完走するためには練習を積み重ね体力や脚力を付ける(課題の解決)ことが必要となってきます。
これを企業活動に置き換えてみましょう。
例えば「売上高を10%上げる」という目標を立てたとしましょう。
そこで営業戦略を検討するため現状分析を行ったところ、以下の通りでした。
「問題」
・営業マンが顧客とコミュニケーションが取れていなかった。(挨拶、商品の説明等)
・営業マンが商品知識を熟知していなかった。
・顧客リストが不整備であった。
「課題」
・マーケティングを行っていなかった。
・ここ数年新規獲得営業を行っていなかった。
・ここ数年新規商品を開拓していなかった。
このように既に「問題」と「課題」とに整理しましたが、
企業の現場ではこれらを混同して捕らえている場合が多いようです。
即ち問題と課題を整理することで解決すべき優先順位や重要度が見えてきます。
上記の例ですと、まずは問題解決が先決であり、
早急に対処しないと「売上高を10%上げる」どころか、逆に売上が落ちるかもしれません。
次に市場分析を行ったり、新規営業のためにDMを出すのか、飛び込み営業を何件するのか、
あるいは新規商品を開拓するのか等々を検討していくことになります。
以上のように企業活動において大事なことは、まず目的や目標を持つことです。
そうすることで今の自分たちにとって何が不足していて、何に困っているのかが見えてきます。
この「不足しているもの」や「困っていること」が問題や課題であり、
それらを整理することで「やるべきこと」が解ります。
中小企業の経営者は一人何役もこなしており、大変忙しい日々を送られていると思いますが、
1年に1日くらいは会社の「困りごと」を考える日を持つことも経営には大事なことです。
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