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所得税の平均課税制度
2014年01月29日
こんにちは財務事業部です。
1月も終わりに近づき、所得税の確定申告の時期が近付いてまいりました。
今回は、作家の方等に適用のある平均課税制度についてご紹介します。
(平均課税制度とは)
作家などの年によって収入に波があるお仕事や、臨時の収入があった場合には
それまでに比べて税負担が急増する場合があります。
その場合には、平均課税制度を利用して確定申告をすることができます。
平均課税制度とは、年ごとの変動の激しい所得や臨時の所得がある場合に、
通常の超過累進税率よりも低い税率を適用して税額を計算できる制度です。
ただし、平均課税制度を適用するには条件がございますので、以下にその条件をご紹介します。
(適用の条件)
平均課税を適用するには次の[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方を満たす必要があります。
[Ⅰ]
事業所得・不動産所得・雑所得に区分されているもののうち、
以下の所得がある場合に適用できます。
①変動所得・・・
漁獲又は海苔の採取、はまち・かき・真珠等の養殖、
原稿又は作曲の報酬、著作権の使用料による所得
②臨時所得・・・
一時に受ける不動産等の権利金、公共事業や公害による事業所得等の補償金
(いずれも3年以上の期間に対応するものに限る)
3年以上の不動産の貸付の対価で一時に受けたものによる所得 等
[Ⅱ]
その年の所得について、次の両方の条件を満たしていなければなりません。
①その年の変動所得と臨時所得の合計が、その年の総所得金額の20%以上であること
②変動所得があるときは、その年の変動所得が前年・前々年の平均を超えること
例えば、作家で収入が原稿料と著作権使用料のみである場合には、あとは[Ⅱ]②の要件を満たせば
平均課税制度の適用を受けることができます。
(平均課税制度)
では、適用できることとなった場合には税額はどのような計算になるのでしょうか。
通常、超過累進税率で適用される税率はその年の課税総所得金額で判定されます。
平均課税制度では課税総所得金額を2つに区分し、その片方を基準として税率を判定します。
(計算方法)
①課税総所得金額から、変動所得(前年、前々年の変動所得の平均を引いた金額)と
臨時所得の金額の合計の4/5を引いた金額(「調整所得金額」といいます)に
超過累進税率を適用して税額を求めます。
(※)課税総所得金額が変動所得(前年、前々年の平均を引いた金額)と
臨時所得の金額の合計以下の時は、課税総所得金額の1/5を調整所得金額とします。
②課税総所得金額から調整所得金額を引いた金額に、
平均税率(①の税額÷調整所得金額)を乗じて残りの税額を求めます。
①と②の税額を合計した金額がその年の所得税額となります。
―――算式―――
① ②
所得税額=調整所得金額×超過累進税率+(課税総所得金額-調整所得金額)×平均税率
以上のように、平均課税制度は超過累進税率の判定金額を下げるものですので、
もとから税金の出ない場合や最低税率(5%)の場合には効果がありません。
また、変動所得の増加額や臨時所得の金額が少ない場合にも税額が変わらない場合があります。
平均課税制度は、自分から計算して提出しなければ適用されません。
確定申告をされる際に、その年の収入について振り返ってみてはいかがでしょうか。
平日 9:00 ~ 17:30