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戦略の良し悪し

2013年08月28日

経営支援事業部

こんにちは、経営支援事業部です。

今回は最近読んだ経営学者「楠木建」さんの著書

「ストーリーとしての競争戦略」の一節を紹介したいと思います。

ある登山隊がピレネー山脈を登山中に雪崩に遭遇し、一時的に意識を失い、

意識が戻ったときには、背負っていた基本的な装備が失われており、

コンパスも失われており、残ったのはほんの少しの非常食だけでした。

隊員達は、もう我々は生きて帰れない、どうやって山を下りるんだと

諦めかけていました。


ところが、ある隊員のポケットの中から一枚の地図が出てきました。

隊員達はこれを見ているうちにだんだん元気が出てきて、

尾根がこういうふうに走っていて、周囲の地形がこうなっているということは、

どうも我々はこの辺にいるのではないか。

今太陽がこっちから出ているので、こちらのほうが東ではないか。

とすると、こう行けば下山できるのではないか・・・

と地図の上に道をつけるという作業を始めました。

つまり下山のための戦略ストーリーを組み立て、それを隊員で共有したわけです。

下山の過程ではさまざまな困難に遭いながらも

登山隊は自分たちが地図の上につけた道筋(戦略)を信じて、

それを頼りに困難を一つひとつ乗り越え、奇跡的に下山することができました。

めでたし、めでたし・・・

 

ところが、この話には続きがあります。

この登山隊が遭難したことを知った麓では、救援隊を組織して

必死で救援活動を行っていたのですが、状況から考えて生還は絶望的だと

半ば諦めていた矢先に登山隊が生きて戻ってきたのです。

驚いた救助隊の人は、登山隊のリーダーに

「あの状況で、いったいどうやって戻ってこられたのですか?」と尋ねました。

リーダーは一枚の地図を取り出して

「この地図のおかげで助かりました。」と答えました。

救助隊員は笑って言いました。

「こんな時によくそんな冗談を言う余裕がありますね。

これはアルプスの地図じゃないですか・・・」

驚いた登山隊のリーダーが自分たちが道筋をつけた地図を改めてよく見ると、

それは実はピレネーではなくアルプスの地図だったのです。

 

著者は、この話を「ストーリーとしての競争戦略を理解するうえで含蓄に富んだ話」

として紹介しています。詳しい解説は著書に譲ることとして、

この話は戦略の良し悪しが実績をつくるのではなく、

いかに戦略を自分たちの言葉で理解し、組織の全員が共有し、

自分たちがつくった戦略を信じて邁進することが大事かを私たちに教えてくれています。

 

<参考> 「ストーリーとしての競争戦略」楠木建 著  東洋経済新報社

              
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