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中小企業の会計に関する基本要領について
2012年11月14日
こんにちは財務事業部です。
今回のテーマは平成24年2月1日に公表されました
中小企業の会計に関する基本要領についてお話したいと思います。
中小企業の会計に関する基本要領とは
中小企業の会計に関する基本要領とは、中小企業が会社法上の
計算書類等を作成する際に参照するための会計処理や注記等を
示したもので、中小企業の多様な実態に即してつくられた新しい
会計ルールです。
代表的な会計処理
「中小企業の会計に関する基本要領」では、税制との調和や
事務負担の軽減を図る観点から、多くの中小企業の実務で必要と
考えられる項目に絞って、簡潔な会計処理等を示しています。
ここでは、「中小企業の会計に関する基本要領」が示している
代表的な項目を抜粋して紹介します。
(1)貸倒引当金
①債務者の資産状況、支払能力等からみて回収不能の
おそれのある債権については、その回収不能見込額を
貸倒引当金として計上します。
②計算方法として、法人税法上の中小法人に認められている
法定繰入率で算定する方法も使用できます。
(2)有価証券
①有価証券は、原則として、取得原価で計上します。
②売買目的有価証券を保有する場合は、時価で計上します。
③有価証券の評価方法は、総平均法、移動平均法等によります。
④時価が取得原価よりも著しく下落したときは、回復の見込みが
あると判断した場合を除き、評価損を計上します。
(3)棚卸資産
①棚卸資産は、原則として、取得原価で計上します。
②棚卸資産の評価基準は、原価法又は低価法によります。
③棚卸資産の評価方法は、個別法、先入先出法、総平均法、
移動平均法、売価還元法等のほか、中小企業で多く利用されている
最終仕入原価法も利用できます。
④時価が取得原価よりも著しく下落したときは、回復の見込みが
あると判断した場合を除き、評価損を計上します。
(4)引当金
将来の特定の費用又は損失であること、発生が当期以前の
事象に起因すること、発生の可能性が高いこと、金額を合理的に
見積ることができることに該当するものを引当金として、当期の
負担に属する金額を当期の費用又は損失として計上し、
当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に
記載します。
具体的には、賞与引当金、退職給付引当金等があります。
(5)注記
①会社計算規則に基づき、重要な会計方針に係る事項、
株主資本等変動計算書に関する事項等を注記します。
②「中小企業の会計に関する基本要領」に拠って計算書類を
作成した場合には、その旨を記載します。
「中小企業の会計に関する基本要領」を活用するメリット
当事務所でも、「中小企業の会計に関する基本要領」や、
よりタイトな「中小企業の会計に関する指針」に準拠した
「信頼度の高い決算書」の作成を推進しております。
1.決算書の信頼性が向上します。
「中小企業の会計に関する基本要領」に準拠した会計処理を
行うことで、自社の経営状況や財務内容を、より正確に把握することが
できます。
中小企業庁でも、経営革新計画等の認定にあたり、「中小企業の
会計に関する基本要領」に従った計算書類の提出を勧めており、
補助金採択にあたって同計算書類の提出があった場合には、
一定の評価がされます。
2.的確な経営改善等が可能です。
自社の財務内容を、時系列や、同業他社の状況と比較・分析
することで、会社の課題や問題点がわかり、投資判断や経営改善等、
将来の事業計画に活用することができます。
3.スムーズな資金調達等につながります。
自社の財務内容について、金融機関など外部の利害関係者への
報告・説明が正確なものとなり、金融機関や取引先等との
信頼関係の構築につながります。
中小企業の経営者のみなさま、
「中小企業の会計に関する要領」に準拠した「信頼度の高い決算書」を
作成しましょう。
平日 9:00 ~ 17:30