KUBOTAX BLOG
- HOME
- KUBOTAX BLOG
- 遺言いろは 第1回目
遺言いろは 第1回目
2012年08月29日
久保田会計事務所の所長である、税理士の久保田博之が、
京都新聞の「暮らし」のページに、毎週日曜日にQ&A形式で、
遺言作成時の注意点等を15回にわたり連載している記事を
掲載していきます。今回はその第1回目の掲載記事をご覧頂きます。
Q.遺言は用意した方がいい?
「遺言」が注目されているそうですが、資産家ではない
私でも必要ですか?
遺言を書いておいた方が良いのは、どんな場合でしょうか。
A.家族、財産、事業など相続環境考えて
遺言の必要性はそれぞれの家族環境によって異なります。
一般的には、「家族・相続人の事情」「所有財産の事情」
「事業承継などその他の事情」が、遺言を必要とする事情です。
遺言というと「財産を誰に遺言するか」をすぐに考えがちですが、
その前に自分自身の相続環境から考えることを始めなければ
なりません。
相続手続支援センター京都作成のチェックリスト(表参照)を
使って具体的に考えてみましょう。
遺言を考えている「あなた自身について」「あなたの子どもに
ついて」「あなたの家族について」をさらに細分化してあなたの
「遺言度」を考えてみる必要があります。
○あなた自身について
例えば、あなたに子どもがいない場合、配偶者があなたの
没後も安心して一人で生活できることを第一に遺言する内容を
考えなければならないのではありませんか。
あなたが再婚しているなら、親子関係が先妻の子、後妻の子と
複雑になります。
「相続人を誰にするか」を考える前に、「誰が相続人か」を
考えておきましょう。
○あなたの子どもの事情
例えば、子の中に音信不通や海外居住している人がいる場合、
遺産分割をする場に相続人が全員集まることは、できないのでは
ありませんか。
○あなたの家庭の事情
より慎重に考えておきましょう。例えば家族に障害者や認知症の人、
介護を必要とする人がいる場合、その人のこれからの事を考えて
遺言を残しておく必要があります。
このように、遺言を書くことを考える前に、まずあなたの「遺言度」を
考え、一つでも該当する項目がある場合は、家族が幸せな生活を
続けることができる遺言が求められるのです。
わが家の「遺言度」をチェック
○あなた自身について
□子どもがいない
□配偶者が既に他界している
□配偶者と別居中である
□高齢になってから若い女性と結婚した
□熟年結婚(再婚)した
□離婚・再婚により親子関係が複雑化している
□一緒に住んでいる内縁関係者がいる
□先妻と後妻のそれぞれに子がいる
□離婚した配偶者との間に子どもがいる
□独身を通したので兄弟姉妹しか相続人がいない
□異母兄弟・異父兄弟がいる
○あなたの子について
□相続人が大勢いる
□長男が実家を出て生活している
□再婚者の連れ子を養子縁組後、実子が生まれた
□行方不明や音信不通の相続人がいる
□親と同居している子と、そうでない子がいる
□海外に居住している子がいる
□未成年の子がいる
○あなたの家族について
□高齢者がいる
□介護が必要な家族がいる
□障害のある人がいる
□認知症の人がいる
※一つでも該当項目があれば遺言を考えてください。
三つ以上該当項目がある場合は速やかに遺言作成を。
(京都新聞 平成24年7月15日(日)朝刊暮らし面掲載記事)
平日 9:00 ~ 17:30