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死亡保険金に係る非課税枠の見直し

2011年05月18日

こんにちは相続支援事業部です。

 

今回は、平成23年度税制改正案の中から、死亡保険金に係る

非課税枠の見直しについてお話をさせていただきます。

 

【現行】

500万円×法定相続人の数

 

【改正案】

500万円×法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に

被相続人と生計を一にしていた者に限る)の数

 

上記のように、改正後は法定相続人の範囲が

大幅に縮小されることになります。

 

例えば、法定相続人が妻と子供2人の場合、

現行では「500万円×法定相続人3人」

で1,500万円が非課税となりますが、

改正後は、仮に、子供2人が被相続人と生計を一にしていない場合

「500万円×法定相続人1人」で500万円の非課税枠となります。

法定相続人が被相続人と生計を一にしていたかどうかで、

非課税枠に大きな違いが出てきます。

 

そこで最近クローズアップされてきたのが、

"生計を一にしていた者"の範囲についてです。

 

"生計を一にする意義"については、

相続税法では特に規定されておらず、

次の所得税基本通達2-47が準用されています。

 

   法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に

   起居していることをいうものではないから、

   次のような場合には、それぞれ次による。

   (1)勤務、修学、療養等の都合上他の親族と

        日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、

        次に掲げる場合に該当するときは、

         これらの親族は生計を一にするものとする。

        イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、

             勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで

             起居を共にすることを常例としている場合

       ロ  これらの親族間において、常に生活費、学資金、

             療養費等の送金が行われている場合

 

   (2)親族が同一の家屋に起居している場合には、

         明らかに互いに独立した生活を営んでいると

         認められる場合を除き、これらの親族は生計を一に

         するものとする。

 

これからすると、一般的には、同居していれば原則は

「生計を一にする」とされ、別居していても

独立した生活を営んでいなければ「生計を一にする」と

判断できそうです。

 

しかしながら、過去の判例では、"生計を一にする"の判断については、

極めて個別性が高く、実際の家屋の使用状況、食費や水道光熱費

といった生活費の負担状況等を総合的に見て個別に判断されています。

 

したがって、改正後の死亡保険金の非課税枠の判定にあたっても、

実態を総合的に判断した、慎重な判定が必要になってきます。

 

税理士法人 久保田会計事務所

              
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