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相続税・贈与税改正(案)

2011年03月23日

こんにちは相続支援事業部です。

 

今回は、昨年末に公表された平成23年税制改正大綱の中から

資産課税の改正案の概要についてご説明させていただきます。

 

相続税は、富の再分配機能を回復させ、格差の固定化を

防止する必要から増税、一方で贈与税は若年世代への

早期財産移転を促すために贈与しやすくなっているのが特徴です。

 

<相続税>

1. 基礎控除額の引き下げ

(5,000万円+1,000万円×法定相続人数)から

(3,000万円+600万円×法定相続人数)に引き下げられます。

法定相続人が配偶者と子供2人の場合、従来は8,000万円

までは相続税がかかりませんでしたが、改正後は4,800万円超

の財産をお持ちの方は原則として相続税がかかることになります。

 

2. 最高税率・税率構造の見直し

最高税率が従来の50%から55%に引き上げられます。

また税率構造も6段階から8段階に変更されます。

1億円以下は変更ありませんが、2億円以下40%、

3億円以下45%、6億円以下50%、6億円超55%となります。

 

3. 死亡保険金の非課税枠の縮小

従来は法定相続人×500万円の非課税枠がありました。

改正後は法定相続人ひとりあたりの金額に変わりはありませんが、

法定相続人の範囲が、未成年者、障害者又は相続開始直前に

被相続人と生計を一にしていた相続人に限られることになります。

 

4. 未成年者控除額、障害者控除額の引き上げ

相続人が未成年者、障害者に該当する場合、一定の額を相続税

から控除することになっていますが、1年あたりの控除額が6万円から

10万円(特別障害者は12万円から20万円)に引き上げられます。

 

<贈与税>

1. 最高税率・税率構造の見直し

最高税率が相続税と同様に50%から55%に引き上げられ、

税率構造も6段階から8段階に変更されます。

また、20才以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合と

それ以外とに区分された税 率構造となり、

一般の贈与より緩和された税率構造が

直系尊属からの贈与には適用されます。     

 

2. 相続時精算課税制度の対象者を拡大

受遺者の範囲に20才以上の孫(現行は推定相続人のみ)が追加され、

贈与者の年齢の要件が現行の65才以上から

60才以上に引き下げられます。

 

国会審議の動向により改正内容が変更になる場合がありますが、

改正案通り実施の場合、相続税は平成23年4月1日以後の相続から、

贈与税は平成23年1月1日以降の贈与から適用されることとなります。

なお、23年1月1日から23年12月31日までの贈与については、

新税率と旧税率の選択適用が可能となります。

 

税理士法人 久保田会計事務所

              
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