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中小企業金融円滑化法 1年延長
2011年03月16日
既に新聞等で既報の通り「中小企業者等に対する金融の
円滑化を図るための臨時措置に関する法律」いわゆる中小
企業金融円滑化法が平成24年3月まで1年間延長される
ことになりました。
今回は、同法のこれまでの実績と今後について少し触れた
いと思います。
まずはじめに2月に発表された平成22年12月末までの
中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の実績
は、主要行等(11行)・地域銀行(106行)・その他銀行(28
行)の145行で下記の通りとなっています。
申込み(A) 866,495件(286,414億円)
実行(B) 758,818件(256,796億円)
謝絶(C) 24,028件( 7,271億円)
審査中 53,442件( 15,599億円)
取り下げ 30,207件( 6,741億円)
実行率①(B)/[(B)+(C)] 96.9%
実行率②(B)/(A) 87.6%
これに信金等の実績を加えると、150万社以上の中小企
業が申込みをしたことになり、日本の中小企業者数が約400
万社ですから、なんと3分の1以上の中小企業が申込みをし、
実行率②により130万社以上が実行されたことになります。
ただここで問題なのが、条件変更等を実行した企業のうち経営
改善計画が出されている割合が3割程度、すなわち約100万
社は経営改善計画が出されていないことになります。
ある都市銀行の担当者によると、現在経営改善計画が出され
ていない企業のうち50%は不良債権と見ているようです。
もしそうだとすると、50万社の企業が不良債権になる計算に
なります。
今後は金融機関も同法に基づく貸付条件の変更等には慎重
にならざるを得ません。
即ち今まで以上に実行可能性の高い抜本的な経営改善計画 が求められることになるでしょう。
以下は金融庁ホームページより「中小企業金融円滑化法の
期限の延長等について(概要)」・・・抜粋です。
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
今後の対応
○中小企業者等の業況や資金繰りは、改善しつつあるものの、
依然厳しい。
こうした中、先行きの不透明感から、今後、一定の貸付条件
の変更等への需要があると考えられる。一方で、貸付条件の
変更等に際しては、金融規律も考慮し、実効性ある経営再建
計画を策定・実行することが重要。
○このため、中小企業金融円滑化法を機に、以下の流れを定着
させることが必要。
・金融機関が、貸付条件の変更等を行っている間に、コンサル
ティング機能を十分に発揮することで、
・中小企業者の経営改善が着実に図られ、
・中小企業者の返済能力の改善等につながる。
↓
○中小企業金融円滑化法を1年間延長するとともに、あわせて以
下のような施策を講じ、同法の期限後も、金融機関による金融
仲介機能が適切に発揮される環境の整備を目指すとともに、引
き続き中小企業の資金繰りに万全を期す。
[中小企業金融円滑化法の1年延長]
[金融機関による開示・報告内容の見直し]
・金融機関による開示・報告資料の大幅な簡素化(開示・報告
に係る事務負担の軽減)
[金融機関によるコンサルティング機能の発揮の促進]
・金融機関がコンサルティング機能(経営相談・指導役等、事業
再生等)の発揮に際し、果たすべき役割を具体化する方向で
監督指針を改定
・法の実施状況に関する検査の一巡後、通常の検査において
「金融円滑化編」に基づく検査(コンサルティング機能の発揮
状況等)を実施
[その他]
・中小企業金融に関する実態把握、金融機関に対する金融
円滑化法の要請の継続
・改正金融機能強化法の活用の検討促進
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