KUBOTAX BLOG
- HOME
- KUBOTAX BLOG
- おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第三十二話~
おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第三十二話~
2010年01月23日
今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第32話。
初めてご覧いただく方は是非
からどうぞ。
限界利益・損益分岐点を学んだ小町さん。
自分の計画を改めてみてみると・・・
+++++++++++++++++++++
すっかり気落ちしてしまった私を見て、海苔巻さんが苦笑する。
『ほらほら、しっかりしてください。まだ机上の空論ですよ?
言うだけならダタです、タダ。損害だって0円ですよ。』
なんだか商売人の心をくすぐるような言葉がかけられる。
(・・・・たしかに。)
「そう言われれば・・そうですね。言うだけなら痛くも痒くもないですもんね!」
よく言えば素直、悪く言えば単純な性格の私は立ち直りも早かった。
海苔巻さんのノセ方が上手いのかもしれないが。
・・・・きっと、そうだ。そういうことにしておこう。
『そうそう、その意気です。と、言うわけで。1
日あたりに必要な売上件数が21件と分かった訳ですが・・・
小町さんはどうすれば件数を増やすことが出来ると思いますか?』
尋ねられてう~~ん、と唸る。
「・・・そうですね・・・。配達区域を・・・もうちょっと拡大するとか・・?」
しかし、自分で言っておいてなんだが。
あまり良い方法には思えなかった。今考えている区域を拡大しても
そこにあるのは普通の住宅街なので、
需要が増えるとは考えにくいのだ。
(他に・・他に何か良い手があるだろうか・・??)
意見を一つ言った後はすっかりお地蔵様状態になってしまった私に。
『配達区域の拡大となると・・さらにバイトを増やさないと
いけなくなるかもしれませんし、
ガソリン代ももっとかかるかもしれませんね。』
「ですよねぇ・・。けど、他にとなると・・・思い浮かばなくて・・。」
やはりあまり上手い手ではなかったか、と苦笑する。
『難しく考えなくても・・ちょっとした工夫で売上を延ばすことが
出来ると思いますよ。』
そんなことを言われて首を傾げる。
・・・ちょっとした工夫・・・工夫・・。
『例えば・・・単純に一食あたりの単価をUPする、とか。』
単価を・・・?
『もしくは・・一件あたりの人数を増やす、とか。』
・・・4人以上に??
「・・いや、結構・・・それも無理があると思いますけど・・・。」
ちょっと言いにくそうに反論する。
今まで、と言っても数ヶ月でしかないがそれでも店をやっていて
このくらいなら堅いという金額と人数なのだ。
それ以上を狙うとなると・・・どうすればいいのだろうか。
『いえいえ、なんのなんの。さっきも言いましたが工夫次第ですよ。』
しかし、海苔巻さんは明るく言ってのける。
『単価のUPは、例えばメニューを増やすことで
可能になると思いますし・・。一件当たりの人数を増やす、
というのは要はお客さんを増やすということなので・・
そうですね、ランチだけではなく残業食、というのも
狙ってみてはいかがでしょうか?』
そうすると、また人件費も組み直す必要もありますがと補足が付いたものの
提示された案件にはなるほど、と思った。
「・・・・・たしかに、工夫次第・・というか・・考え方次第、ですね。」
ちょっと私は頭が固いのだろうか・・。
実際に店をやっている私よりも意見がスラスラ出てくる海苔巻さんをみて
尊敬するやら、微妙に敗北感を覚えるやら・・心中が複雑な私だった。
第33話へ続く。
平日 9:00 ~ 17:30