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日航再生
2009年11月02日
連日、新聞やテレビで日本航空の再生について報道されています。
債権者と日航との基本的には話し合いによる私的な再生から、
今回は公的機関である「企業再生支援機構」を使った
再生に変更になったようです。
場合によっては、今後、会社更正法の適用も
あるのではないかと思っています。
企業を再生させる場合にどの方法を使うかは、一長一短ありますので、
まさしくケースバイケースですが、いずれにせよ、
運行事業を継続しながら、企業の債務をカットすることと、
しっかり儲かる体制に変化させることが
最終目的であることはかわりありません。
カットされる債務の中で、もっとも注目されているのが
過去に退職した社員に対する年金支払債務です。
会社更生法などの法的手続きを使った場合には
強制的にカットされるのですが、
その他の私的手続きを使った場合には
年金受給者の同意が必要となるため、簡単に事が運ばない訳です。
他の債権者である銀行などは、今回の整理にあたり、
これ以上の損失を回避するため、とか、将来の収益が見込めるなど
経済的な合理性で判断できます。
一方過去に退職された社員は、1円でも多くの年金を
受給したいのはやまやまです。とは言え、倒産されては、
相当減額されるかもしれません。
どこで妥協するかよくわからないところでしょう。
そして、日航再生のためには政府の資金、
つまり税金も投入されますので、単なる一企業の破綻処理とは違い、
極端なはなし国民全員がこの年金の行方を見守っていることになります。
自分で書いているだけでもかなり複雑な問題だと感じてきました。
厚生年金などの公的年金が不安定になっています。
今回のように企業年金もかなり不安定になっています。
これも、日本の人口構造や産業構造の変化の現れでしょう。
中小企業にとっても、決して、他山の石というわけには行きません。
しっかりと事の成り行きを見ていきたいと思います。
税理士法人 久保田会計事務所
税理士 久保田博之
平日 9:00 ~ 17:30