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おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第十話~
2009年08月22日
今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第10話。
初めてご覧いただく方は是非
からどうぞ。
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海苔巻さんがにこやかに入室すると、私も立ち上がり挨拶を返した。
「はい、お久しぶりですね。海苔巻さんもお変わりないようで。」
軽く談笑をした後、椅子を勧められたので改めて腰を下ろす。
向かいに同じように腰をかけた海苔巻さんはいつかのように
ガラス板の乗った立派なテーブルの上にレポート用紙を開けると
早速、本題を切り出した。
『では、昨日お伺いした件ですが・・・。もう一度お伺いしても?』
昨日は電話口だから、とかなりはしょって状況を説明したので
それをイチから詳しく、ということのようだ。
「あ、はい。えっとですね。そもそものきっかけは・・・」
この数週間の間の出来事を順を追って思い出し、
なるべく分かりやすい説明を心がけて話をしていく。
そこにはうまく伝えられず、その為に反対されてしまわないように、
という思いもあったのかもしれない。
近所のご贔屓さんの話から始まって、
つい最近の配達サービスへの問い合わせまで。
出来るだけ詳しく説明をした。
海苔巻さんはその説明にじっと耳を傾けて、
時折なるほど、と言った風に頷いたり少し難しい顔をしたりと
様々な表情を浮かべていて。
「・・・と、いうことでして・・。
それ以後、あまり馴染みの無かった人からも
問い合わせがきたりしたんですよ。」
だから、このサービスが商売として
成り立つのではないかと思ったのだ、と。
私はその反応に一喜一憂しつつも、
なんとか話終えることが出来てほっと身体の力を抜いた。
・・・・気づかない内に変な力が入っていたらしい。
「・・・・・どうですか?海苔巻さん的には・・昨日と同じで
あんまり気乗りしない感じですか??」
話終えた後も考える様子を見せる相手を窺がうように見る。
昨日はたいした説明をしてなかったから
あんな返事が返ってきたんだと思いたかった私は。
再びどきどきと緊張しながら返事を待ったのだった。
第11話へつづく。
平日 9:00 ~ 17:30