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おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第九話~

2009年08月15日

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第9話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

+++++++++++++++++++++

翌日。

私は数ヶ月ぶりに『久保田会計事務所』との

看板が掲げられた建物の前へとやってきた。

よくよく見ればその下には別に設けられたプレートがあり、

そこには他にもいくつかの会社名が入っている。

(・・・・相続手続支援センター京都・・・?)

ビルは大きいから私が以前通された2階より上に入っているのかもしれない。

それともこういう仕事も兼ねているのだろうか・・。

以前来た時には緊張のあまり気づかなかったのだろうなと思い苦笑する。

 

「・・・・さて、そろそろ約束の時間だし・・。」

 

行きますか!

と、気合いを入れてガラスの扉を開けて階段を上がって行った。

 

+++++++++++

 

『いらっしゃいませ。』

 

と言わんばかりにガラスの扉の向こうで

女性が出迎えに出てくれていた。

階段を登りきるまでそう時間はかかっていないのだが、

なんとなく待たせてしまった様な気がして。

慌てて扉を開けようとやや勢いよく押して・・・

 

-ごわんっ-

という鈍い音がした。

・・・どうやら手前に引くべき扉を押してしまったらしい・・。

 

接客に出てくれていた女性が少し笑いながら扉を開けてくれた。

・・・誰もが一度はすることだと思いたい・・・。

 

++++++++++

 

『すぐに担当者が参りますので、こちらでお待ちください。』

 

少々恥ずかしい思いをした後、通された部屋は前回とは違う部屋で。

以前に比べるとなんていうか・・・落ち着く広さと言えた。

 

「・・・私これくらいの広さでええわ・・・。」

 

一人になってからぼそりと呟く。

初めて通された時の部屋は広くて立派で・・・・

そもそも、こういうオフィス的な場所に慣れていない私は

話し合いが始まるまでそわそわしてしまったのだ。

 

広い部屋の真ん中よりも端っこで落ち着いてしまうような心理

と言えばわかりやすいだろうか・・・。

 

などとよく分からないことを考えていると、ノックの音が。

次いで扉が開く音がして。

 

『失礼します。どうも、直接お会いするのはお久しぶりですね。』

 

以前と変わらぬ笑顔で海苔巻さんが部屋に入ってきたのだった。

 

第10話へつづく。 

税理士法人 久保田会計事務所                           

              
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