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緊急保証制度と経営改善計画

2009年06月15日

 堅いタイトルですみません。

まず、緊急保証制度の現状についてお知らせします。

この制度は中小企業が金融機関から融資を受ける際に、

信用保証協会が返済を保証する制度です。

従って、借りた企業が倒産して返済できなくなっても、

信用保証協会が肩代わりして金融機関に返済するので、

金融機関は融資しやすくなり、貸し渋り防止に繋がります。

 

さらに、通常は80%しか肩代わりしないところ、

昨年10月より実施されている緊急保証制度では、

100%肩代わりすることになったので、金融機関のリスクは

ほとんどなくなり、借り手である中小企業と

貸し手である金融機関双方にとってメリットがあり、

かなり利用が進んでいます。

 

4月末での保証累計は10兆円を超えており、

2008年度の補正予算で計上された20兆円の保証枠が

2009年度の補正予算で10兆円追加され、

総額30兆円の保証枠が確保されています。

今後さらに、この緊急保証制度を利用した融資が増えていくと思われます。

それでは、この保証制度により融資された資金は、

中小企業でどのように使われているのでしょうか。

保証協会の資金使途別保証承諾状況を見てみますと、

98%は運転資金となっており、設備資金は0.8%、

その他が1.2%となっています。

 

さらには、その内約30%は既存の借入からの借り換え案件のようです。

2~3年の返済期限の借入金をこの制度により

最長10年の借入金に借り換え、毎月の返済資金を減額することにより、

手元の運転資金を確保しておられるようです。

 

ここで、よく考えておかなければいけないのは、緊急保証制度であっても、

10年返済であっても、返済をしなければならないことには

何ら変わりがないことです。補助金をもらったのとは訳が違います。

ただでさえ売上が減少し、利益も減少して、

資金繰りが厳しい状況ですから、一時的に効果があったとしても、

収益つまり儲けが改善しなければ、いずれ返済資金につまることは

目に見えています。単にその時期を遅らせただけです。

 

緊急保証制度により一時的に余裕ができたこの時期に、

しっかりとした経営改善計画を作成し、金融機関とよく話し合い、

さらなる借入期限の延長など、今後の返済計画について、

しっかり決めておく必要があります。

そこで、もう一つの緊急対策である、

「金融検査マニュアル改定」が生きてきます。

この点については次週に解説致します。

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之

 

              
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